Google Pixel Watch 5 実機レビュー|健康機能で業界最高峰のモデル Androidでいまの一番手

REVIEW

公開日:

腕に着けたGoogle Pixel Watch 5(45mm)。文字盤に11時10分、9月5日土曜日、歩数7,319、気温22度が表示されている

2026年8月20日に発売されたGoogle Pixel Watch 5 を、大きいほうの45mmで2週間使ってレビューします。価格は41mmが62,800円、45mmが67,800円です。

外観は前の世代から据え置きで、動いたのは中身でした。血管と代謝のトレンドを追う Health Guardian、前世代比2倍のGPS精度、そして片手のジェスチャー操作。目玉として掲げられたものが実際どこまで使えるのかは、気になっている方が多いと思います。

いちばん開いたのは Google Health アプリでした。数字が並ぶだけでなく、気になったことをその場で質問できます。体調が落ちた日に理由を聞けたのは、この機種が初めてでした。

この記事で分かることは6つです。

健康の機能 毎日の状態が届いてAIに相談できる。2026年モデルで最も動いた部分
運動の機能 50種類以上から選べて7種類は操作なしで記録される
画面と操作 常時表示のまま日向で読めてリューズで確実に操作できる
電池の持ち 1日着けて減ったのは40%ちょっと
SuicaとGemini 前の世代から据え置き。それでも十分に強い
今年の新機能 目玉のHealth Guardianは発売時点では使えない

どれも2週間のあいだに実際の画面と数字で確かめたものです。上から順に見ていきます。

提供に関する注記 本記事で紹介したGoogle Pixel Watch 5は、ブランド側より貸与を受けて執筆しています。記事の内容は実際に使用したうえでの評価であり、提供元による内容の指定や事前確認は受けていません。

レビューするモデルはこちら

Google Pixel Watch 5 の Obsidian カラーを斜めから写した製品画像

Google Pixel Watch 5(画像:Google)

モデル Google Pixel Watch 5(45mm)
価格 45mm 67,800円/LTEモデル 84,800円
41mm 62,800円/LTEモデル 79,800円
発売日 2026年8月20日
サイズと重量 直径45mm・高さ12.3mm・36.7g(バンドを除く)
41mmは31.0g
画面 Actua 360・320ppi AMOLED LTPO
最大輝度3,000ニト・最小1ニト・1〜60Hz・常時表示対応
電池 465mAh・常時表示で最長40時間
41mmは332mAhで最長30時間
中身 Snapdragon W5 Gen 2 高性能版+Cortex M55
Wear OS 7.0・ストレージ64GB
45mmは3色・41mmは4色
対応スマホ Android 12.0以降(iPhoneは非対応)
素材と耐久性 100%リサイクルアルミニウム・カスタム3D Gorilla Glass 5
防水防塵 5ATM・IP68

Google Storeで価格と在庫を見る

AmazonでPixel Watch 5を見る

発表時の価格とキャンペーンはGoogle Pixel Watch 5 が発表|41mm 62,800円・45mm 67,800円で8月20日発売、血管と代謝のトレンドを追う Health Guardian を搭載にまとめました。

41mmと45mmで違うのは4つだけ

黒と白のバンドを付けた Pixel Watch 5 が斜めから並べて置かれ、ケース径の違いが分かる

45mmと41mmを並べた展示。厚みはどちらも12.3mmで同じ

違うのは大きさ・電池・色・価格の4つです。 厚みも画面の仕様も機能も共通で、どちらを選んでもできることは変わりません。大きさの違いにはバンドの対応サイズも含まれるので、手首が細い方は41mmのほうが選びやすくなります。

Pixel Watch 5 は41mmと45mm どっちを選ぶ? 中身は同じ、違うのは大きさ・電池・色・価格とバンドの対応サイズ

iPhoneとはペアリングできない

対応するのはAndroid 12.0以降のスマートフォンだけで、iPhoneとはペアリングできません。 発表会の質疑応答でも、iOSには対応しないと明言されています。前の世代の11.0以降から条件が上がったので、手持ちがAndroid 11のままだと使えません。

ただし Google Health アプリはiPhoneにもあるので、Androidで溜めた記録はiPhoneから開けます。この記事に載せているアプリの画面も、iPhoneで見たものです。

主要な機能を一覧表でチェック

Google Pixel Watch 5 主要機能チェック表:スマホの通知○、天気予報○、音楽の操作○、ウォッチフェイス変更○、常時表示○、音声アシスタント○、通話機能○、追加アプリ対応○、支払い決済○、Suica対応○、心拍センサー○、血中酸素濃度○、睡眠○、体表温度○、歩数○、消費カロリー○、運動計測○、水泳対応○、GPS機能○、気圧・高度計○

スマートウォッチの主要な機能を20項目に絞った一覧。緑が搭載でグレーが非搭載を表す

上の表は、スマートウォッチに求められる機能を20項目に絞ったものです。緑のアイコンが搭載、グレーが非搭載を表します。Pixel Watch 5 は20項目すべてが緑になりました。これは仕様上の対応を示したもので、この記事で実際に試したのは電池・画面・Suica・Gemini・睡眠・心電図・運動の各項目です。

珍しいのは、日本で使うときに欠けやすい機能が埋まっている点です。 FeliCaを積んでいるのでSuicaが使えて、マイクとスピーカーがあるので通話もできます。ここが×になる海外製の機種は今でも少なくありません。

変わり種のセンサーも1つ入っています。皮膚の電気の流れやすさを測る皮膚コンダクタンス(cEDA)で、汗のかき方から体の反応を推定してストレスの記録に使われます。

今年のPixel Watch 5で新しくなったところ

外観はほとんど変わっていません。動いたのは中身です。発表会で説明された内容を、前の世代と突き合わせて並べます。

GPS 経路精度が前世代比で2倍。建物の3Dモデルで反射による誤差を補正し、気象参照局のデータで大気の誤差も織り込む
心拍 数万時間のデータで学習した機械学習による計測に
睡眠 睡眠ステージの判定精度が15%向上
操作 タッチレスの片手ジェスチャーが加わった
処理 CPUが12%向上・RAMが50%増。端末全体では20%高速
ストレージ 32GBから64GBへ倍増
据え置き ケース径・厚み・重量・画面・駆動時間・充電速度・通信まわり(FeliCaを含む)

公式の技術仕様を両方そろえて1項目ずつ突き合わせると、ケース径・厚み・重量・画面・駆動時間・充電速度・通信まわりが数値まで一致していました。据え置きの欄が長いのは、外観と電池もちがすでに仕上がっているからです。

Pixel Watch 4 から Pixel Watch 5 で何が変わった? 外観と電池もちは据え置き、動いたのは中身だけ

バッテリーの持ち具合

急速充電ホルダーに載せた Google Pixel Watch 5 の公式イメージ画像

付属するのは急速充電ホルダー(画像:Google)

就寝時も外さずに1日着けて、減ったのは40%ちょっとでした。 常時表示はオンのままです。外出が多めだったりワークアウトの計測をしたりするとさらに減る日もありましたが、寝る前に充電しなくても翌日に持ち越せる余裕がありました。

公称は45mmが最長40時間、41mmが最長30時間です。大きいほうを選ぶ安心感は、この10時間の差から来ています。バッテリーセーバーに入れれば45mmで最長72時間まで伸びます。

前の世代と比べると、容量は455mAhから465mAhへ10mAh増えたのに、公称の駆動時間は据え置きです。増えたぶんは新しい処理の消費に吸われていると読めます。

充電は付属の急速充電ホルダーで、公式値は約15分で50%、約30分で80%、約60分で100%。実際に使っていて、この速度がそのまま出ていると感じました。朝の支度をしている20分ほどで十分に戻るので、減りを気にする場面がありませんでした。

見た目と着け心地

キッチンスケールに載せたPixel Watch 5(45mm)。表示は61gでバンドを含んだ重さ

バンドを含めた実測は61g。公式の36.7gは本体のみの数字

45mmは数字のうえではそこそこ大きいのですが、着けていて邪魔だと感じる場面はありませんでした。 丸いケースなので角が張り出さず、手首が重い感じもしません。

丸いケースの縁までガラスが回り込んでいて、画面と本体の境目がありません。

操作は触覚式のリューズが確実でした。 汗で濡れた指だとタッチは滑りますが、リューズなら回せます。走っている最中の画面送りはこれで済みました。

バンドはアクティブバンド(第2世代)が、SサイズとLサイズで1本ずつ同梱されます。Sが手首150〜185mm、Lが165〜215mm向けなので、手首の太さで買い足す必要はありませんでした。

カラーは前の世代からまるごと入れ替わった

Google Pixel Watch 5(45mm)の3色。Matte Blackケースとオブシディアンのバンド、Polished SilverケースとFogのバンド、Satin PyriteケースとOliveのバンドが並んでいる

45mmの3色。左からケースがMatte Black・Polished Silver・Satin Pyrite(画像:Google)

色はケースとバンドの組み合わせで決まります。45mmは上の3色で、41mmにはこれにケースがChampagne Gold・バンドがCanyonの組み合わせが加わって4色になります。

前の世代からは色がまるごと入れ替わりました。 Pixel Watch 4 にあったPorcelainとSatin Moonstoneがなくなり、新色のPyriteとFog、Oliveが入りました。41mm専用だったIrisも整理されています。色数の構成だけは前の世代と同じです。

ウォッチフェイスは雰囲気ごと変えられる

Pixel Watch 5のウォッチフェイス3種類を並べた写真。歩数や気温を並べたもの、目盛りのあるアナログ調のもの、大きな数字のものが表示されている

同じ本体で見た目はここまで変わる。左は歩数と気温を並べたもの

文字盤を替えると、同じ本体とは思えないほど印象が変わります。左は歩数・気温・消費カロリーを縁に並べたもの、中央は目盛りのあるアナログ調、右は時刻だけを大きく出したものです。

数字を詰め込むか、時刻だけにするかで使い勝手も変わります。 走る日は歩数と心拍が見える文字盤、人と会う日は時計らしい文字盤に替えていました。

日常の機能

毎日使う部分を見ていきます。画面の見やすさ、通知、Suica、Geminiです。

通知はスマホと同じ形で積み上がる

Pixel Watch 5の通知画面2枚。左はメールやカレンダーの通知が縦に積み上がった状態、右はGmailの通知1件で差出人と件名と本文の冒頭が表示されている

左は通知が積み上がった状態。右は1件を開いたところで本文の冒頭まで入る

通知はスマホと同じものが、そのままカードで届きます。差出人と件名だけでなく本文の頭まで出るので、開かずに読むかどうか決められました。 古いものは下に積み上がり、リューズを回して遡れます。メールもカレンダーも同じ並びに入ります。

アプリの一覧も、スマホの延長で並んでいます。

Pixel Watch 5のアプリ一覧。アラーム、ウォッチフェイスの作成、ウォレット、エクササイズが縦に並んでいる

アプリ一覧。アラーム・ウォッチフェイスの作成・ウォレット・エクササイズが並ぶ

Wear OS 7.0なのでPlayストアからアプリを足せます。最初から入っているのはアラーム、ウォッチフェイスの作成、ウォレット、エクササイズなど。ウォッチフェイスを本体だけで作れるのは、スマホを開かずに済むので楽でした。

常時表示のまま日向でも読める

直射日光の下でPixel Watch 5のワークアウト画面を同じ時刻に3通りの角度で撮った比較。読める状態、反射で半分隠れた状態、日陰でほぼ真っ暗な状態

同じ4時11分の画面を3通りの角度で。左から読める・反射で半分隠れる・日陰でほぼ真っ暗

晴れた夕方でも、腕を上げればペースと心拍はそのまま読めました。 常時表示をオンにしたままです。

ただしガラスが丸く盛り上がっているので、角度によっては空や建物が映り込みます。正面に持ってくれば読めるので、手首をひねる動作が1つ増えると思っておくといいです。

Suicaはスマホから移すのも足すのも簡単

Pixel Watch 5の画面に表示されたSuicaの残高1,080円とチャージするボタン

腕の画面で残高1,080円。その場でチャージもできる

FeliCaを積んでいるのでSuicaがそのまま使えます。Pixelのスマホに入れているSuicaをウォッチへ移すのも、新しく発行して足すのも簡単でした。 迷う場面がなく、設定の流れに沿って進めるだけで終わります。

使える範囲も広いままです。 自動販売機、コンビニのレジ、そして改札の通過まで、カードと同じように通ります。腕をかざすだけなので、スマホを出す必要がありません。残高の確認とチャージも、この画面からそのままできます。

そこに加えて、最近は定期券も買えるようになりました。通勤で使う人にとっては、これで手持ちのカードを完全に置き換えられます。

Google Pixel Watch・Galaxy WatchのSuicaで定期券が買える|サムスンが対応8機種を公式発表、モバイルSuicaアプリから購入可能に

Geminiは手をあげるだけで話しかけられる

腕に着けたPixel Watch 5にGeminiで話しかけている画面。マイクのアイコンの下に「今の天気を教えて」と認識された文字が出ている

「今の天気を教えて」と話した直後。認識された言葉が画面の下に出る

Geminiは前の世代から使えていました。2026年モデルではここに「手をあげて話す」機能が加わって、手首を上げるだけで話しかけられます。ボタンを押す手順が消えるので、歩きながらでも使えました。フライト情報や乗り換え案内がウォッチフェイスに自動で出る先読みの表示も増えています。

操作では、タッチレスの片手ジェスチャーが新しく入りました。指をちょんちょんと合わせるダブルピンチで、通話に応答する、アラームをスヌーズする、写真を撮る、音楽を操作する、通知を操作する、といったことができます。手首を外側と内側にひねる動きも割り当てられていて、Googleの説明では着信時に音をミュートできます。

慣れれば便利そうですが、私はあまり使いませんでした。両手が空いている場面ではタッチのほうが早いので、荷物を持っているときや料理中に思い出して使う機能です。

先読みという点では、イヤホンと組ませたときの動きも同じ筋です。音楽を聴きながら寝落ちすると、ウォッチが眠りを検知してイヤホン側の再生を止めてくれます。頼んでいないのに気を利かせてくる部分は、この機種の性格がよく出ています。

Pixel Buds Pro 2 に新色 Olive と4つの新機能|寝落ちすると Pixel Watch が検知して音楽を止めてくれる

健康の機能

Pixel Watch 5の「重点的指標」の画面。歩数2,150、アクティブゾーン時間1%、睡眠6時間54分でスコア85・良いのカードが並んでいる

「重点的指標」の画面。歩数・アクティブゾーン時間・睡眠が1画面に並ぶ(9月16日)

ここがこの機種の持ち味です。数字を見せて終わりにせず、読み解くところまで付き合ってくれます。

腕元には「重点的指標」として、歩数・アクティブゾーン時間・その日の睡眠が1画面にまとまって出ます。心拍は別のタイルで、2時間分の推移が波形で見られます。

Pixel Watch 5の心拍数の画面。午後3時16分から5時16分の波形で最高86、最低65、現在68bpmと表示されている

9月16日の午後3時16分から5時16分。最高86・最低65・そのときが68bpm

心拍は裏面のセンサーで測り続けています。腕を外すと、円形のセンサーの中央が緑に光っているのが見えます。

Pixel Watch 5の裏面。円形のセンサー部の中央が緑色に発光し、その周囲に測定用の電極が並んでいる

裏面のセンサー。中央の緑が心拍用で周囲の電極が心電図とcEDAに使われる

Google Health のコーチには、その日の数字を見せたうえで相談できます。 睡眠スコアやエナジースコアをもとにその日の運動強度を提案してきますし、食べたものを入力すると残りのカロリーに合わせた食事の候補まで出してきます。利用にはサブスクの契約が必要です。

実際に聞いてみた例を1つ。夕方に寝てしまった昼寝について、体の回復に役立つのかを尋ねました。返ってきたのは「16時45分から約1時間半」とこちらの記録を参照したうえでの答えで、90分の睡眠は深い睡眠のサイクルを1回分含められる、疲れが溜まっているときの仮眠はストレスホルモンを下げる、という説明でした。

そのうえで注意も付いてきます。18時過ぎまで寝たことで夜の睡眠圧がリセットされ、今夜寝付けなくなる可能性がある、と。最後は「今夜はいつも通りの時間に眠れそうですか?」と聞き返してきました。聞いたことだけでなく、その先の夜まで見て答えてきます。

Google ヘルスコーチは無料? Pixel Watch 5 の AI コーチに聞けること|サブスク契約が必要と明言

週に1度はまとめがメールで届きます。総歩数と平均睡眠時間、安静時の平均心拍、体重までが1枚に並んで、前の週との増減も付いてきます。

Google Healthから届く週ごとのメール。総歩数43,760、平均睡眠6時間53分、安静時の平均心拍66bpmなどが前週比とともに並んでいる

週ごとに届くメール。前の週より歩数が7,254減ったことまで書いてある

自分で開きに行かなくても届くので、続きます。毎日アプリを開く習慣がない人でも、週に1度なら目を通せます。

着けて寝ると睡眠が5本の帯に分かれて出てくる

起床直後に Pixel Watch 5 の画面へ出た睡眠スコア85「良い」。腕に着けたまま寝具の上で撮影

起きた直後に腕の画面へ出る睡眠スコア。9月16日の朝は85で「良い」

寝るときも外さずに着けて過ごしました。眠っているあいだに取れる数字の量が、この機種の見せ場です。

睡眠は5本の帯に分かれて出てきます。 覚醒状態、寝付けない状態、レム睡眠、浅い眠り、深い眠りの5本です。ある夜は覚醒10分・寝付けない9分・レム1時間27分・浅い3時間51分・深い1時間31分。眠っていた3つを足すと表示の6時間49分にぴったり合いました。ベッドにいた時間と眠っていた時間も別に出ます。夕方の昼寝も、操作しないまま勝手に記録されていました。

別の朝には、睡眠スコア84「質の高い睡眠でした」と出たその日にエナジースコアが31「ストレスと回復力が拮抗」と並びました。 同じアプリが同じ朝に正反対のことを言う場面です。この2つを別のものとして読めるかどうかで、使い勝手が変わります。その朝の中身は、こちらにまとめました。

Pixel Watch 5 の睡眠計測を使用レビュー|何が・どこまで見えるのか? 睡眠スコア84の朝にエナジースコアは31だった

エナジースコアのほうは、25まで落ちた日に本当に体調が悪いのかを確かめました。心拍変動と睡眠スコアを並べて、数字と体感がどれだけ合うかを追った記録です。

Pixel Watch 5のエナジースコアが低い日は、本当に体調が悪いのか? 25まで落ちた日の心拍変動と睡眠スコア

心電図は30秒で測れて結果がその場に出る

Pixel Watch 5 で心電図を測った直後の画面。洞調律と76bpmが表示され、気分が優れない場合は医師にご相談くださいという注意が続いている

測り終わると腕の画面に判定が出る。この日は「洞調律」で76bpm

心房細動(AFib)の検出に対応した心電図アプリが使えます。利用できるのは22歳以上で、すでに心房細動と診断されている人向けの機能ではありません。使えるようになるまでに聞かれたのは2つで、着けているのがどちらの腕かと、データを取得する権限でした。

測るのは30秒で終わります。 テーブルに手を置いて、リューズに指を当てて待つだけです。姿勢を作るのに手間はかからず、結果もその場で出ました。この日は「洞調律」で76bpm、「心拍リズムは洞調律のようです」という判定でした。

画面には続けて注意も出ます。「気分が優れない場合は、医師にご相談ください」「この結果に基づいて服用する薬を変更するのはおやめください」。判定が出ても、それで何かを決めるための機能ではないと画面のほうから断っています。

アプリ側にはレポートが残ります。

Pixel Watch 5 の心電図レポート。判定は正常な洞調律、平均76bpm。30秒ぶんの波形が4段に分かれて並び、下部に機能の説明とハードウェア名が記載されている

30秒ぶんの波形が4段でそのまま残る。判定は「正常な洞調律」で平均76bpm(氏名と生年月日はマスクしています)

30秒ぶんの波形が、目盛りごと残ります。 記録の条件は「25mm/s, 10mm/mV, 250 Hz」で、「I 誘導心電図と質的に類似している」という注記が付きます。精度は感度98.7%、特異度100%(画面の表記は「特殊性」)です。

レポートの下には機能の説明もあり、目的は心房細動の検出で「これは診断ではありません」と明記されています。ハードウェア名とファームウェアのバージョンまで入るので、あとから見返したときにどの機種で測ったか分かります。

Fitbit心電図アプリ(ECG)の使い方|Pixel Watchで測定する手順と結果の見方

Health Guardianは2026年秋の提供開始予定

「Gemini Intelligence」「高精度フィットネス」「Health Guardian」の3つが並んだ発表会のスライド

Pixel Watch 5 が掲げる3本柱。このうち新しいのがHealth Guardian

血管ストレスと代謝ストレスの傾向を月ごとに見せる機能です。心拍・心拍変動・加速度計のデータから算出し、血管ストレスは10億分を超えるデータと5億人以上を対象に学習した波形の基盤モデル、代謝ストレスは6,000万時間を超えるデータと10万人以上を対象にした大規模センサーモデルを使うと説明されました。

血圧計のような即時の測定ではなく、長い期間の傾向を見せる考え方です。提供開始は2026年秋の予定なので、動きはじめてから改めて確かめます。

運動の機能

直射日光の下のPixel Watch 5のランニング画面。ペース7分09秒、距離0.41km、心拍144bpmが高強度のオレンジ色で表示されている

走っている途中の画面。心拍が高強度に入ると数字がオレンジに変わる

種目はウォッチの「エクササイズ」から選びます。よく使うものが最初に並び、「すべてのエクササイズ」を開くと一覧が出ます。選べるのは50種類以上です。

そのうち、自分で始めなくても記録されるのは7種類です。 ウォーキング、ランニング、サイクリング、スポーツ、クロストレーナー、エアロビクス、水泳。この7つは操作しなくても自動で検出されます。ほとんどの種目に10〜15分の最低時間が設定されていて、この時間は設定で変えられます。

押していない25分のサイクリングが記録されていた

Google Health アプリで自動検出されたサイクリングの画面。よりスマートな検出を可能にしますかという確認と、サイクリング・マウンテンバイク・電動自転車・電動キックボード・スクーターやオートバイの運転・ベビーカーウォーキング・その他・削除の選択肢

9月13日の25分3秒。開始の操作はしていない。下に種目を確定させる8つの選択肢が並ぶ

ワークアウトを始める操作をしていない25分が、サイクリングとして記録に残っていました。 9月13日の14時15分から25分3秒、消費カロリー39kcal、平均心拍83bpm、獲得標高3.05m。心拍ゾーンは低強度が100%で25分です。

面白いのはその下です。「よりスマートな検出を可能にしますか?」と出て、サイクリング、マウンテンバイク、電動自転車、電動キックボード、スクーターやオートバイの運転、ベビーカー ウォーキング、その他、という選択肢が並びます。こちらが種目を確定させると、次からの検出が良くなります。

平均83bpmで低強度100%、獲得標高3.05mという数字だけでは、確かに自転車と歩行の区別は難しいはずです。押し忘れても記録は残っていて、あとから直せる作りになっています。

10分のうち8分が高強度ゾーンに入っていた

Pixel Watch 5で記録した心拍数の波形の比較。ランニングは平均140bpmで立ち上がってから高強度を維持し、サイクリングは平均83bpmでほぼ平坦

左のランニングは2分で135を越えて高強度へ。右のサイクリングは平均83bpmで大半が75前後

自分で始めたランニングの結果です。

運動時間 10分3秒
距離 1.39km
ペース 7分13秒/km(平均)
ステップ 1,646
消費カロリー 97kcal
平均心拍数 140bpm
有酸素運動負荷 14(心拍から算出する運動の負荷。数字が大きいほど強い)
心拍ゾーン 高強度80%で8分・中強度20%で2分
ピークと低強度は0分
スプリット 1.00kmが7分14秒/km・0.39kmが7分08秒/km

走り出して2分で心拍が135を越えて、そこから最後まで高強度ゾーンのままです。

数字は互いに合っています。1.39kmを7分13秒/kmで走ると10分02秒で、表示の10分3秒とそろいます。心拍ゾーンの境目は固定値ではありません。画面には「心肺機能と年齢に合わせてパーソナライズされます」と出ます。この日は中強度が110、高強度が135、ピークが166から始まる設定でした。

なお記録の上に付くひとことコメントは、日本語のときと英語のときが混ざります。

接地時間と上下動比は目盛りの外に出た

Pixel Watch 5のランニング記録2画面。左は心拍ゾーンの内訳が高強度80%8分と中強度20%2分でスプリットが1.00km7分14秒と0.39km7分08秒、右はフォームの4項目で足の回転数163歩/分・接地時間311ミリ秒・上下動10.1cm・上下動比12%

左がゾーンの内訳とスプリット。右のフォーム4項目のうち接地時間と上下動比は目盛りの右端を振り切っている

腕の時計だけで、フォームの4項目まで出てきました。足の回転数が163歩/分、接地時間が311ミリ秒、上下動が10.1cm、上下動比が12%です。

面白かったのは目盛りの作りです。 回転数は140〜190の目盛りの中に、上下動も7〜11の中に収まりました。ところが接地時間は目盛りが220〜280しかなく、311ミリ秒は右端の外。上下動比も6〜10の目盛りに対して12%で、やはり外に出ます。

つまり「遅いほうに振り切ると点が目盛りの端に張り付く」という表示です。伸ばしどころがどこかは、これで一目で分かりました。

GPSの軌跡は住宅地でも家の上に乗らなかった

Pixel Watch 5のGPSで記録した走行軌跡。左は心拍ゾーンで色分けされ、右はペースで色分けされている

同じ軌跡を心拍ゾーン(左)とペース(右)で塗り替えたもの。地図は加工しています

2026年モデルで最も効いていたのがGPSです。 住宅地の細い道を走っても軌跡が家の上に乗らず、曲がり角の形もそのまま残りました。

Googleの説明では、経路精度が前世代比で2倍になっています。マップの技術で建物の3Dモデルを使い、衛星からの信号が建物で反射して生じる誤差を補正する仕組みです。あわせて世界中の気象参照局のデータで、大気の状態による誤差も織り込みます。搭載しているのはデュアル周波数のGPSで、GPS・Galileo・Glonass・Beidou・QZSSに対応します。

気圧計と高度計が入っているので標高も出ます。この日は最高13.8m、最低11.7mで、獲得標高は1m。獲得標高は上った分だけを足した数字で、小さな上下は切り捨てられます。ほぼ平坦な道だったと分かります。

Androidで比べる相手はGalaxy Watch 9

Samsung Galaxy Watch9のシルバーとグラファイトの2色を並べた製品画像

Galaxy Watch 9(シルバーとグラファイト。画像:サムスン)

Androidで大きいサイズを選ぶなら、比べる相手はGalaxy Watch 9です。どちらも丸いケースで、通知・決済・GPS・心拍・睡眠という基本のところは両方そろっています。差が出たのは3か所でした。

常時表示での駆動時間はPixelがGalaxy Watch 9より10時間長く、価格もPixelが約5,000円安い。1日着けて40%ちょっとで済んだ余裕は、この差から来ています。

一方で体組成を測れるのはGalaxyだけです。体脂肪率や筋肉量を腕で測りたいなら、こちらを選ぶ理由になります。体重の管理が目的の人は、ここで分かれます。

3つめは健康の読み解き方です。Pixelは数字を出したうえでAIに相談でき、Galaxyは「心臓の健康スコア」のように指標を1つにまとめて見せます。数字の意味を人に聞くように尋ねたいならPixel、ひと目で判断したいならGalaxyという住み分けでした。

Pixel Watch 5 と Galaxy Watch 9 はどっちを買う? 大きいサイズは電池が10時間差|価格は Pixel が約5,000円安く、体組成は Galaxy だけ

気になった点

いちばん大きいのは、発表会の目玉が発売時点で使えないことです。 5つの機能が2026年秋の提供開始予定で、Google ストアの比較ページにもそう書かれています。

血管ストレスレベルの傾向 Health Guardian の2本柱のひとつ
代謝ストレスレベルの傾向 同じくHealth Guardian
睡眠時の呼吸の質 血中酸素の分単位の変動を追う指標
上級者向け筋力トレーニング 実行中の音声ガイダンス
カスタムワークアウト作成 器具や部位から自分で組み立てる

2週間着けてアプリを探しても、Health Guardianはどこにも出てきませんでした。買ってすぐ試せると思って選ぶと、待つことになります。

価格も気軽ではありません。45mmで7万円近く、LTEモデルならさらに17,000円上がります。中身を考えれば納得できる額ですが、はじめの1本として勧めやすい価格帯ではありません。

iPhoneとペアリングできないのも惜しい点です。 iPhoneをメインで使っている人は、そもそも選択肢に入れられません。

細かいところでは3つ。日向ではガラスの映り込みが出るので腕の角度を変える必要があります。片手ジェスチャーは結局あまり使いませんでした。ワークアウトに付くひとことコメントは、日本語と英語が混ざります。

まとめ

腕に着けたPixel Watch 5の画面にエナジースコア63と「普通」が表示されている

腕を上げるとその日の回復具合が出る。数字の意味はアプリで聞ける

ここまで弱点も並べましたが、致命的なものは見つかりませんでした。秋を待つ機能はあるものの、いま手元で動いている範囲だけで十分に強い機種です。

2週間着けて残ったのは、健康まわりの手厚さでした。毎日の状態が分かりやすく届いて、気になったことはその場で相談できます。健康機能に限れば、スマートウォッチの先をいちばん進んでいるモデルです。

Androidで使うならこれが一番手だと思った理由は3つです。

欠けがない 20項目すべて搭載。Suicaも通話も心電図もそろっていて、日本で使うときに足りないものがない
健康を読み解ける 睡眠とエナジースコアを出したうえで、その数字の意味をAIに相談できる
毎日不安にならない 1日で減るのは40%ちょっと。常時表示のまま日向でも読めて操作も確実

Pixel Watch 4 を使っている方は据え置きの部分が多いので、急いで替える必要はありません。新しく1本選ぶなら、健康の側がここまで来ているいまがタイミングです。

健康機能の充実度ではGalaxy Watchより前に出ていました。Android向けのオールラウンドなスマートウォッチとして、いま選べるなかの一番手です。

Pixel Watch 5 の価格と購入先

Pixel Watch 5 は2026年8月20日発売で、41mmが62,800円、45mmが67,800円です。LTEモデルは同じサイズより17,000円高く、41mmが79,800円、45mmが84,800円になります。

Google Storeで価格と在庫を見る

AmazonでPixel Watch 5を見る

楽天市場でPixel Watch 5を見る

Yahoo!ショッピングでPixel Watch 5を見る

Source: Google ハードウェア新製品事前説明会(2026年8月7日)/Google Pixel Watch 5 技術仕様/Google ストア 製品比較ページ/Google Health アプリ

画像出典: 製品画像はGoogle提供、展示写真と実機写真は編集部撮影

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