Appleがヘルスケアアプリを年内に全面刷新。まずは米国英語から|実年齢と比べる「Health Age」、iPhoneカメラで測る身体機能

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刷新されたヘルスケアアプリの「Health Age」画面を表示するiPhoneと、隣に置かれたApple Watch。実年齢30歳に対して26.1歳、マイナス3.9歳と示されている

2026年9月9日(日本時間9月10日)のイベントで、Apple Watch Series 12とApple Watch Ultra 4が発表されました。ただ、この日いちばん射程が長いのは時計そのものではなく、iPhoneのヘルスケアアプリが年内に全面刷新されるという発表かもしれません。

実年齢と比べる「Health Age」、iPhoneのカメラで体の動きを測る評価機能、Apple Intelligenceによるパーソナライズ。これらは日本語版のプレスリリースには記載がなく、米国版でのみ案内されています。まず米国英語から始まるためです。

刷新の全体像

項目 内容
対象 iPhone(と一部iPad)のヘルスケアアプリ
提供時期 2026年後半
言語 まず米国英語。ほかの言語は順次
必要なもの Apple Intelligenceに対応したiPhone・iPad。一部機能はiPhoneのみ
新しいタブ インサイト、Longevity(長期の健康)
目玉 Health Age、身体機能の評価、血液検査の連携、専門家の動画
注意 Health AgeにはApple Watchが必要。一部機能は18歳以上が対象

インサイトタブ:一日を通して更新される要約

iPhoneのヘルスケアアプリで、新しいインサイトタブと睡眠スコアを表示しているところ

新設されるインサイトタブは、心臓、睡眠、準備度、フィットネス、バイタル、生理周期のデータを横断して要約を出します。朝いちどきりではなく、一日を通して更新されます。

その中の「For You」では、ユーザーのデータにもとづくおすすめが並びます。Appleが挙げている例は、夜更かしが続いたあとに「寝る前の過ごし方を見直しては」と提案する、というものです。

iPhoneのヘルスケアアプリで、ユーザーのデータに合わせたおすすめの記事や提案が並ぶ「For You」の画面

Apple Watch Series 12で加わった準備度スコアも、このタブに流れ込みます。時計側で測った数字を、iPhone側で読み解くという分担です。

Longevityタブと「Health Age」

もうひとつの新しいタブがLongevityです。長期にわたる健康データを分析して、心臓の健康、睡眠、メンタルの健康、運動機能、代謝、聴覚、栄養の7つの領域を評価します。

その中心にあるのがHealth Ageです。Apple Watchのデータをもとに、自分の指標が実年齢に対してどの位置にあるかを示します。使われるのはVO2 max、安静時心拍数、睡眠、HRVなど。さらにA1c(HbA1c)やLDLコレステロールといった血液検査の値を自分で追加して、分析を厚くすることもできます。

公開された画面では、実年齢30歳に対してHealth Ageが26.1歳、マイナス3.9歳と表示されていました。

このタブでは、iPhone、Apple Watch、AirPods、診療記録、さらにサードパーティのアプリやデバイスのデータまで束ねて、どの領域が自分の長期的な健康を左右しているかを見せます。

iPhoneのカメラで、体の動きを測る

いちばん驚いたのがこれです。柔軟性、筋力、バランス、動作のメカニクス、VO2 maxを、iPhoneのカメラとApple Watchを使って自宅で評価できるようになります。

Appleは、可動性が自立や慢性疾患のリスク、生活の質を占う重要な指標であるにもかかわらず、日常的に測る手段がほとんどなく、運動生理学者や理学療法士のところへ行くしかなかった、という前置きをしています。

この評価はすべて端末の中で完結し、ビデオが録画・保存・共有されることはありません。視覚ベースのAIモデルが動きを見て、その場で音声と画面でフィードバックを返します。臨床医の意見をもとに開発されたとのことです。

VO2 maxの測定には、Apple Watch、AirPods Pro 3、またはサードパーティの心拍センサーのいずれかが必要です。

この評価は一度きりのものではなく、ケガからの回復の経過を追う使い方も想定されています。VO2 maxのテストでは、iPhoneのカメラが動きを検出し、トレーナーによるお手本の表示、画面と音声でのフォーム案内、そして結果表示までをその場で行う流れになります。

血液検査を50超の項目で(米国のみ)

米国では、50を超える主要なバイオマーカーを含む検査を119ドルで、ヘルスケアアプリから直接予約・購入できるようになります。全米約2,000か所のQuest Diagnosticsが対象です。

結果はApple Watchのデータと一緒に分析され、たとえばLDLコレステロールの値について、Appleのヘルス分野の臨床専門家が「この数値が何を意味するのか、どう改善できるのか」を解説する動画が表示されます。

検査結果は、Questで新たに注文したものだけでなく、手作業での入力や、診療記録の同期でも追加できます。

バランスに課題が見つかった場合には、その人の能力に合わせた運動プランまで提示されます。事前に噂されていた「AIヘルスコーチ」そのものではありませんが、刷新ヘルスケアアプリとAIヘルスコーチをめぐる話のうち、指導にあたる部分はここに収まった形です。

閉経周辺期と閉経期に対応

iPhoneのヘルスケアアプリの生理周期記録で、閉経周辺期に関する情報を表示しているところ

これは日本語版のプレスリリースにも記載がある項目です。iOS 27で、生理周期記録が閉経周辺期と閉経期に対応します。

自分が閉経周辺期・閉経期にあることを記録すると、それに合わせて記録の内容が変わります。閉経後に出血を記録した場合には、医師に相談するよう促す通知が出ます。

さらに、閉経周辺期は最後の月経より何年も前から症状が始まることがあり、本人が気づいていないケースが多い、という指摘があります。そこで40歳以上のユーザーには、記録された周期パターンに閉経周辺期を思わせる変化があれば通知が届きます。次の受診のときに医師へ相談できるようにするためです。

Apple Watch側のバイタルも厚くなる

Apple Watch Series 12のバイタルアプリで、回復時HRVを含む夜間の指標を表示しているところ

Apple Watch Series 12とApple Watch Ultra 4の新しいヘルスセンシングシステムでは、HRVが最短5分ごとに測られます。従来の24倍の頻度です。

夜間バイタル値には回復時HRVが加わり、その人自身のベースラインと照らして表示されます。あわせて日中の表示も追加され、夜の数値に出る前に変化を捉えられる可能性がある、というのがAppleの説明です。

iPhoneのヘルスケアアプリで、心肺機能が上向きだと伝えるインサイトと心拍数62を表示しているところ

そのほかの更新

iOS 27、iPadOS 27、macOS 27、watchOS 27では、ほかにも次のような変更があります。

Workout Buddyは、iPhoneが近くになくてもApple Watchだけで使えるようになります。取り込むフィットネスデータも増え、英語に加えてスペイン語にも対応します。

GymKitが拡張され、AirPods Pro 3の心拍データをiPhone経由でトレッドミルや屋内バイクなどのジム機器と同期できるようになります。イヤホンで測った心拍がジムの機械に乗る、という流れです。

トレッドミルの計測精度も上がります。新しい機械学習モデルにより、歩き始め・走り始めの1歩目から距離の計算が正確になるとしています。

日本ではいつ使えるのか

ここが正直なところです。刷新されたヘルスケアアプリは2026年後半に、まず米国英語で提供が始まります。ほかの言語への対応は「その後」としか案内されていません。

血液検査の連携は米国のQuest Diagnosticsが前提なので、そのままの形では日本に来ません。Health Ageや身体機能の評価が日本語で使えるようになる時期も、現時点では示されていません。

一方で、閉経周辺期・閉経期への対応はiOS 27の機能として日本語版のリリースにも記載があります。Apple Watch Series 12を買った人がすぐに恩恵を受けられるのは、準備度と心拍まわり、そしてこの周期記録の拡張ということになりそうです。

まとめ

今年のAppleは、時計の形を変えませんでした。代わりに変えたのは、測ったデータをどう読み解くかの部分です。

5秒ごとの心拍と最短5分ごとのHRVで密度を上げ、準備度で「今日どう動くか」を出し、Health AgeとLongevityタブで「この先どうなりそうか」を出す。時計とiPhoneで役割を分けた設計になっています。

ただ、その半分は当面英語圏の話です。日本のユーザーにとっては、Apple Watch側の準備度と心拍の刷新は今すぐ、iPhone側の読み解きは後から、という順番で届くことになります。

Source: Apple Newsroom「Apple advances health and fitness capabilities using Apple Intelligence」(2026年9月9日)Apple Newsroom(日本・Apple Watch Series 12)。記事中の画像はApple提供

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