Table of Contents
Apple Watch Ultra 4から、対応する衛星測位システムがひとつ減っています。GLONASSです。
海外メディアのMacRumorsが2026年9月10日に指摘した内容ですが、Apple日本の仕様ページでも同じことが確認できました。Ultra 4が受けるのはGPS、Galileo、QZSS、BeiDouの4つで、GLONASSは並んでいません。
減ったと聞くと不安になりますが、話はそう単純ではないようです。何が変わって、実際どう効いてくるのかを整理します。
Apple公式の仕様で確認できること
現行3モデルの記載を並べると、Ultra 4だけが異なっています。本稿執筆時点でApple日本の仕様ページに載っている表記は次のとおりです。
| モデル | Apple公式サイトの記載 |
|---|---|
| Apple Watch Ultra 4 | 高精度2周波GPS(GPS、Galileo、QZSS、BeiDou) |
| Apple Watch Series 12 | L1高精度GPS(GPS、GLONASS、Galileo、QZSS、BeiDou) |
| Apple Watch SE 3 | L1 GPS(GLONASS、Galileo、QZSS、BeiDou) |
Series 12とSE 3にはGLONASSが残っており、Ultra 4だけが外れているという構図です。MacRumorsによれば、前世代のApple Watch Ultra 3はGLONASSにも対応していました。
なお、日本の読者にとって気になるQZSS(みちびき)はUltra 4でも維持されています。日本国内での測位に効いてくる衛星なので、ここが外れていないのは重要な点です。
GLONASSはなぜ外れたと考えられるのか
Appleは理由を説明していません。以下はMacRumorsによる技術的な見立てです。
GPS、Galileo、BeiDou、QZSSはCDMAベースの信号方式を採用していて、複数の周波数に対応することでより正確な測位ができます。一方で民生機器がGLONASSから受け取るのは通常L1信号だけです。そのため、2周波に対応した機器ではGLONASSの有用性が相対的に低くなります。
さらにGLONASSは信号の設計そのものが他と異なっており、受信機側で衛星ごとにハードウェアのタイミング遅延を補正する必要があります。この補正が測位の誤差につながることがある、とされています。
つまり、2周波受信ができるUltra 4にとって、GLONASSは精度を上げる要素というより、処理の手間と誤差要因になりうる存在だった、という読み方です。MacRumorsは、外したことで精度の向上、処理の削減、バッテリー持ちの改善につながる可能性があると書いています。
Series 12とSE 3で残っている理由
Series 12とSE 3は、いずれもL1のみの単一周波数です。
GLONASSがL1しか受け取れないという制約は、もともとL1しか使わない機器にとっては問題になりません。むしろ、つかまえられる衛星の数が増えるぶん、ビルの谷間や山の斜面で位置を見失いにくくなります。だからSeries 12とSE 3では対応を続けている、というのがMacRumorsの見方です。
同じメーカーの同じ年の製品でも、受信方式が違えば最適な組み合わせも違ってくる、ということになります。
実際に使っていて影響はあるのか
ここは冷静に見ておきたいところです。
Ultra 4が受けられる衛星測位システムは4つで、GPS、Galileo、QZSS、BeiDouが揃っています。しかも高精度2周波での受信です。数のうえでは減っていますが、精度を支える中心的な部分は残っています。
Apple自身は、Ultra 4の測位を「高精度2周波GPS」として仕様ページの先頭に置いています。GLONASSを外したうえでこの書き方をしているので、少なくともAppleは精度が落ちる変更とは位置づけていないことになります。
ただし、これはあくまでカタログ上の話です。実際の山や街で、Ultra 3と比べてどうなのかは、使ってみないと分かりません。GLONASSはロシアが運用する測位システムで、高緯度地域での測位に強いとされてきました。北欧やアラスカのような場所で長時間行動する人にとっては、気に留めておいてよい変更です。
衛星測位システムそれぞれの性格については、こちらの記事で詳しく解説しています。
GPSだけじゃない!GLONASS・みちびき・Galileoなど衛星測位システムを徹底解説
まとめ
Apple Watch Ultra 4はGLONASSへの対応をやめ、GPS、Galileo、QZSS、BeiDouの4つになりました。Series 12とSE 3はGLONASSを含めた5つのままです。
対応が減ったこと自体は事実ですが、それが精度の低下を意味するとは限りません。2周波受信の機器にとってGLONASSは活かしにくい相手で、外すことでむしろ安定する可能性がある、というのが今回の見立てです。
日本で使ううえで大事なQZSS(みちびき)が残っている点は、押さえておいてよいと思います。買い替えを迷う材料になるほどの変更ではなさそうです。
Source: MacRumors/Apple「Apple Watch Ultra 4 仕様」/Apple「Apple Watch Series 12 仕様」/画像出典:Unsplash(フリー素材)
あわせて読みたい関連記事
Ultra 3からUltra 4への変更点は、こちらにまとめています。
Apple Watch Ultra 3とUltra 4は何が変わったのか|バッテリーが50時間に、屋外ワークアウトは最大45時間で142,800円から
現行3モデルの違いを、用途別に比較しました。
Apple Watch Series 12・Ultra 4・SE 3(昨年モデル)を徹底比較【2026年版】
新モデルでしか使えない機能と、旧モデルでも使える機能を切り分けています。
Series 12とUltra 4でしか使えない機能と、旧モデルでも使える機能をApple公式のデータから解説
日本語版の発表資料では触れられていない項目もありました。
Apple Watch Series 12の発表を日本語版・英語版・基調講演の3つで読み比べた|日本語では触れられていない5つの機能
衛星測位システムの基礎知識はこちらから。
GPSだけじゃない!GLONASS・みちびき・Galileoなど衛星測位システムを徹底解説
はじめての方・記事の探し方に迷った方へ
記事が多くて迷ったら、
記事の探し方ガイド
から目的別に読めます。











