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Apple Watchで計測可能な「心拍数回復」とは? 目安の数値と重要性を解説!

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2025.05.29

Apple Watchの心拍数測定機能はとても精度が高いことで知られています。

かつてスタンフォード大の研究グループがApple Watch, Fitbit, Samsungなど9つの代表的なスマートウォッチが表示する心拍数とエネルギー消費量(カロリー)を実際のデータと比較検証したことがありますが(*1)、最もエラー率が低いのはApple Watchだったということです。

正確に測定した心拍数を基に、Apple Watchは安静時心拍数、VO2Max, 心拍変動など、様々な健康指標データをユーザーに提供してくれます。Heart Rate Recovery(心拍数回復)もそのひとつなのですが、他の指標に比べるとあまり知られていないようです。

今回は、「心拍数回復とは何か」「なぜ重要なのか」について説明したいと思います。

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心拍数回復がアスリートにも一般人にとっても重要なわけ

心拍数回復とは運動をすることによって上昇した心拍数が、運動を止めた後にいかに速く通常に戻るかを示すものです。

1ラウンド3分間で間に1分間の休憩を挟む、ボクシングの試合を頭に思い浮かべて下さい。力量が似通ったボクサーが1ラウンド目から激しく打ち合ったとします。当然、ラウンドが終わった直後は2人とも最大心拍数に近くなっているでしょう。

1分間の休憩が終わった後で、ひとりは心拍数がそれよりずっと低くなるまでに回復して、もうひとりの心拍数はほんの少ししか変わらなかったとすれば、2ラウンド目からはどちらが有利かは明白です。

ボクシングではなくても、試合中に運動の強度が変化する多くのスポーツ(サッカー、バスケットボール、など)では、心拍数回復が速ければ速いほど有利になります。誰だって、心臓がバクバクしている状態では、自身最高のパフォーマンスを発揮することは難しいからです。

競技アスリートではない一般人でも、心拍数回復の数値が遅すぎる場合は、心拍機能に何かしらの問題が生じている可能性があります。

心拍数回復の「正常値」と「リスクの目安」を表でチェック

以下の表は、1分後と2分後の心拍数回復(HRR: Heart Rate Recovery)の目安を示しています。

これにより、自分の数値が健康的な範囲かどうかを確認できます。

計測時間 回復量の目安 評価
1分後 13bpm以上 正常
1分後 12bpm以下 リスクあり(自律神経機能や心臓の回復力が低い可能性)
2分後 22bpm以上 正常
2分後 21bpm以下 リスクあり

心拍数回復と他の健康指標との関係性

以下のような健康指標と相関関係があります。Apple Watchの複数機能を連携させて健康状態を多面的にチェックしましょう。

健康指標 関係性 Apple Watchでの測定方法
安静時心拍数 低いほど心拍数回復が良好になりやすい 自動記録
心拍変動(HRV) 高いHRVは自律神経の柔軟性が高く、HRRが良くなる傾向 ヘルスケアアプリで確認
VO2Max VO2Maxの高い人は心肺機能が高く、回復も早い ワークアウトの記録時に自動測定

Apple Watchが計測した心拍数回復をiPhoneで確認する方法

Apple Watchは心拍数回復を自動で計測してくれます。ユーザーはただApple Watchを着用して運動するだけです。

ただし、心拍数回復は運動が終わってから測定が始まりますので、最低でも運動終了後の数分間はApple Watchをそのまま手首に巻いておかなくてはなりません。

その後でiPhoneのフィットネス・アプリを開き、過去に行ったワークアウトを選択すると、その際に推移した心拍数のグラフが表示されます。

そして心拍数グラフを左から右にスワイプすると、運動終了時、1分後、2分後、それぞれの心拍数がグラフとともに表示されます。これが心拍数回復です。

心拍数回復の評価基準と向上させる方法

上の例ですと、私の1分後の心拍数回復は173-158 = 15bpm、2分後の心拍数回復は173-141 = 32bpm、ということになります。

ある研究(*2)によると、健康な心拍数回復の基準数値は1分後が13bpm以上、2分後が22bpm以上だということですので、私のそれはかろうじてその範囲に収まるようです。

もっとも、正確な心拍数回復の数値を知るためには、注意しなくてはいけないポイントがあります。

それは激しい運動を終了した直後にApple Watchの終了ボタンを押すことです。このタイミングが遅れると、心拍数がすでに下がった状態から測定が開始されますので、心拍数回復の数値は低く評価されてしまうことになります。

上と同様の理由だと思われますが、あまり心拍数が高くならない程度の運動ですと(例:ウォーキングやゆっくりとしたジョギングなど)では、Apple Watchは心拍数回復の数値を表示しません。

安静時心拍数やVO2Maxと同じように、心拍数回復の範囲は個人によって異なるうえ、加齢によっても衰えます。またそのときの健康状態によっても数値は大きく変化します。そして勿論、トレーニングと生活習慣によって向上させることも可能です。

定期的に運動を行うこと、バランスの良い食事をすること、睡眠の量と質を高めること、適切な水分補給を行うこと。当たり前と言えば当たり前なのですが、健康に良いとされるこうした習慣を継続することで、心拍数回復の数値も向上するはずです。

心拍数回復を高めるトレーニングと生活習慣

Apple Watchで定期的に心拍数回復をチェックしつつ、以下のような習慣を取り入れることで、数値の向上が期待できます。

・有酸素運動:ジョギング、サイクリング、水泳などを週3回以上行う
・インターバルトレーニング:高強度→低強度を交互に繰り返す運動を取り入れる
・十分な睡眠:7〜9時間の質の高い睡眠を確保する
・食生活の改善:抗酸化作用のある食材(野菜、果物、ナッツ類)を積極的に摂る
・ストレス管理:瞑想や深呼吸などで交感神経優位の状態を和らげる

*1. Accuracy in Wrist-Worn, Sensor-Based Measurements of Heart Rate and Energy Expenditure in a Diverse Cohort.
https://www.mdpi.com/2075-4426/7/2/3 
2. Heart Rate Recovery: Powerful Prognosticator Now on Apple Watch.
https://www.medpagetoday.com/opinion/skeptical-cardiologist/83528

●執筆者プロフィール 角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー走部監督を務める。年に数回、フルマラソンやウルトラマラソンを走る市民ランナーでもある。フルマラソンのベストタイムは3時間26分。公式Facebookはhttps://www.facebook.com/WriterKakutani

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