Series 12とUltra 4でしか使えない機能と、旧モデルでも使える機能をApple公式のデータから解説 watchOS 27に更新しても準備度は使えない

Apple Watchの使い方、基礎知識

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「無理せずに」「準備完了」「絶好調」の準備度スコアを表示している3台のApple Watch Series 12。

2026年9月9日(日本時間9月10日)、AppleがApple Watch Series 12Apple Watch Ultra 4を発表しました。発売は9月18日(金)です。

今年の新モデルは、見た目がほとんど変わっていません。動いたのは裏側のセンサーで、その新しいセンサーが可能にした目玉の機能が「準備度」です。英語版ではreadinessと呼ばれています。

準備度は、最近のアクティビティ、トレーニングの負荷、バイタル、睡眠スコアを分析して、その日の身体の状態を0〜10のスコアで示すものです。数字には「休養」「無理せずに」「準備完了」「絶好調」という言葉が添えられ、激しく動いた日には、その日のうちに数字が更新されます。OuraやWHOOPが先に定着させてきた「今日どれだけ動けるか」を、Appleが自前で持つようになった、と言い換えてもいいと思います。

そして同じ日、watchOS 27の配信日も9月15日(火)と発表されました。対象はApple Watch Series 9以降、Apple Watch SE 3、Apple Watch Ultra 2以降と幅広く、3年前のモデルでも最新OSに上がります。

ここで、多くの人がこう考えます。「watchOS 27に更新すれば、準備度も使えるようになるのだろう」と。

残念ながら、そうはなりません。準備度はApple Watch Series 12とApple Watch Ultra 4の2機種だけの機能で、ソフトウェアの更新では降りてこないものです。

とはいえ、この線引きはAppleの発表資料を読んでもかなり分かりにくくなっています。watchOS 27に更新すれば手持ちのApple Watchでも使えるものと、新モデルを買わないと使えないもの。この2つを、Apple公式の比較ページで1つずつ確認しながら分けていきます。

なぜ混同しやすいのか

理由ははっきりしています。Appleが同じプレスリリースの中で、両方をまとめて説明しているからです。

Apple Watch Series 12のプレスリリースには、新しいセンサーが可能にする機能と、watchOS 27で全機種に来る機能が並んで書かれています。読んでいる側からすると、どこまでが新モデル専用なのか区切りが見えません。

さらに、watchOS 27の対応機種が広いことも混乱に拍車をかけます。Apple Watch Series 9以降、Apple Watch SE 3、Apple Watch Ultra 2以降が対象なので、3年前のモデルでも最新OSに上がります。OSが上がるなら機能も全部来る、と考えたくなるのは自然です。

watchOS 27に更新すれば、旧モデルでも使えるもの

木のテーブルに並べられた3台のApple Watch。Apple Watch SE 3、Apple Watch Series 11、Apple Watch Ultra 3で、いずれもwatchOS 27の対象になる

まず、9月15日(火)の配信で手持ちのApple Watchに来るものです。

機能 内容
ダイナミックなアプリグリッド Digital Crownを押したときの画面が変わり、Siriが提案する5つのアプリが並ぶ
片手のタップジェスチャー 人差し指と親指のタップで、スマートスタックからウィジェットを開ける
スマートスタックのウィジェットの提案 駐車した場所や、親しい人の誕生日など、関連性の高いタイミングで表示される
周期記録の閉経周辺期・閉経期サポート Apple Watchの周期記録とiPhoneのヘルスケアアプリの両方が対応
Workout BuddyがiPhoneなしで動く 取り込むデータも増え、英語に加えてスペイン語に対応
Siriモジュラー文字盤 一日を通してSiriにアクセスしやすくなる文字盤
「探す」の統合 3つに分かれていたアプリが1つにまとまる
トランシーバーの廃止 こちらは「なくなる」変更

このほかにも、バッテリーの持ちや音楽再生の速さといった、画面には出てこない改善が入っています。watchOS 27の変更点は約50項目あり、こちらにまとめています

Series 12とUltra 4でしか使えないもの

ここからが本題です。Apple公式のモデル比較ページには、初代から最新までの歴代19モデルが横並びで載っています。そこを1行ずつ確認しました。 次の4つは、Apple Watch Series 12とApple Watch Ultra 4の2機種にしか付いていません

機能 対応するモデル
準備度アプリ Series 12/Ultra 4 のみ
回復時HRV Series 12/Ultra 4 のみ
バックグラウンドで心拍数を高い頻度で測定(一日中5秒ごと) Series 12/Ultra 4 のみ
オーディオインテリジェンス Series 12/Ultra 4 のみ

「無理せずに」「準備完了」「絶好調」の準備度スコアを表示する3台のApple Watch Series 12

理由はどれも同じで、新しいヘルスセンシングシステムとS11チップが必要だからです。

心拍を一日中5秒ごとに測るには、より大きく電力効率に優れたグリーンLEDと、リング状に並べ直されたフォトダイオードが要ります。準備度スコアはその高頻度のデータを土台にしているので、測れなければ出せません。ソフトウェアの更新でどうにかなる部分ではありません。

オーディオインテリジェンスについては、Appleが比較ページの注釈で「利用するにはApple Watch Series 12またはApple Watch Ultra 4が必要です」とはっきり書いています。

Apple Watch Series 12のサウンド認識が、ドアベルの音を検知したことを画面で知らせている

なお同じ注釈には、オーディオインテリジェンスに現在含まれているのはサウンド認識と高速化したShazamの2つだとも書かれています。会話を巻き戻すLive Rewindと、会話を要約するSiri Recapは2026年後半で、こちらは英語から始まります。

いちばんややこしいのが「高血圧パターンの通知」

ここが今年いちばんのねじれです。

高血圧パターンの通知は、Apple Watch Series 11、Apple Watch Ultra 3、Apple Watch SE 3でも使えます。新モデル専用の機能ではありません。

ところが、Appleは日本語版のプレスリリースの注釈で、こう書いています。

日本においては初期段階では、Apple Watch Series 12またはApple Watch Ultra 4で高血圧パターンの通知機能を利用できません。

つまり日本では、新しく買ったほうが使えないという状態になっています。規制当局に追加承認を申請中で、来年利用可能になる予定とのことです。

高血圧パターンの通知を目当てにApple Watchを選ぶなら、いまの時点では前世代のほうが確実、という逆転が起きています。買い替えを検討している方は、ここだけは必ず確認してください。

Siri AIは「対応機種」と「言語」の2段構え

Siri AIもwatchOS 27の機能ですが、条件が2つ重なります。

ひとつは対応機種です。watchOS 27に上がるモデルすべてで使えるわけではありません。Apple Watch Series 6〜8、SE 2、初代Ultraで使えない理由はこちらにまとめています

もうひとつが言語です。Siri AIは9月15日からベータ版として提供され、デバイスを英語に設定している必要があります。日本語への対応は10月の予定です。

つまり日本語で使っている限り、9月15日にwatchOS 27へ更新してもSiri AIはまだ動きません。ここも「OSを更新すれば使える」とはならない部分です。

ヘルスケアアプリの刷新は、そもそもwatchOS 27ではない

もうひとつ、混ざりやすいものがあります。

実年齢と比べるHealth Ageや、長期の健康を追うLongevityタブ。これらはiPhoneのヘルスケアアプリの話で、watchOS 27の機能ではありません

提供は2026年後半で、しかもまず米国英語から始まります。Apple Watch側でどれだけ細かく測っても、それを読み解く画面はしばらく英語圏だけ、ということになります。刷新されるヘルスケアアプリの中身はこちらにまとめました

見分け方は「センサーが要るかどうか」

整理すると、線引きは意外とシンプルです。

こういう機能は どうなるか
測る系(心拍、HRV、準備度、音の検知) 新しいセンサーが要る=Series 12/Ultra 4を買う必要がある
見せ方・操作系(文字盤、グリッド、ジェスチャー、アプリの統合) watchOS 27で来る=手持ちのApple Watchで使える
AI系(Siri AI) watchOS 27の機能だが、対応機種と言語の条件がかかる
iPhone側の機能(Health Age、Longevity) watchOS 27とは別物。2026年後半・米国英語から
規制がからむ機能(高血圧パターンの通知) 機種の新しさと関係ない。日本では新モデルのほうが当面使えない

迷ったときは「これはセンサーで測るものか、それとも画面の見せ方の話か」で分けてみてください。だいたい当たります。

まとめ

watchOS 27に更新しても、準備度スコアは使えません。 一日中の心拍測定も、オーディオインテリジェンスも同じです。これらはApple Watch Series 12とApple Watch Ultra 4の2機種だけの機能で、Apple公式の比較ページでも、歴代19モデルのうちその2列にしか印が付いていません。

逆に、アプリグリッドの刷新も、片手のタップジェスチャーも、周期記録の閉経周辺期対応も、Apple Watch Series 9以降なら9月15日から使えます。買い替えなくても手に入るものは、思っているより多くあります。

そして、高血圧パターンの通知だけは順番が逆になっています。日本では前世代のほうが使えるという状態が、少なくとも来年まで続きます。

Apple Watch Series 12で何が変わったのかはこちらにまとめています。買い替えるかどうかは、上の表で「自分が使いたいものがどちら側にあるか」を見てから決めるのがよさそうです。

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Source: Apple公式「Apple Watchのモデルを比較する」Apple Newsroom(2026年9月9日)。対応状況は2026年9月10日時点で確認したものです。記事中の一部の画像はApple提供

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