Table of Contents
SiriにChatGPTを組み込んだAppleとの提携は、OpenAIにとって期待外れだったようです。2026年9月23日(米国時間)、海外メディアのMacRumorsが、OpenAIが裁判所に提出した書面の中身を伝えました。イーロン・マスク氏の企業SpaceXAI(提訴した時点ではxAI)との訴訟で出された書面で、OpenAIはSiriとの統合が「持続的に期待を下回っていた」と書いています。
Appleはこの秋、GoogleのGeminiとの連携を明記した次世代Apple Intelligenceの提供を始めています。書面からは、その前のChatGPTとの提携がどう推移していたのかが見えてきます。
オプトインの手間で「出だしが遅い」
AppleがSiriにChatGPTを組み込んだのは2024年12月です。ただし使い始めるには、ユーザーが何段階かの手順を踏んで利用を選ぶ必要があり、これがひとつの障壁になっていました。
書面によると、OpenAIは2025年1月の時点で、統合は「出だしが遅い」と見ていました。そのうえで、この提携によって増えると見込んでいた、ログインして使う週間アクティブユーザーの上積みの予測を引き下げています。
書面の多くは黒塗りになっています。それでもOpenAIは、マスク氏の企業がAppleとOpenAIを反トラスト法違反で訴えた時点で「AppleによるChatGPTの統合が劇的に期待を下回っていることは明らかだった」と記しています。さらに後の部分でも、Appleとの統合は「持続的に期待を下回っていた」と繰り返しました。この状況を受けて、2026年3月にAppleとOpenAIの間で話し合いが持たれたとされていますが、その中身は黒塗りです。
OpenAIは2年間の独占を求めたがAppleが拒否
書面からは、OpenAIがAppleに2年間の独占期間を求め、Appleがこれを断っていたことも分かりました。
両社の契約は、独占ではないと明記されていました。Appleには、ChatGPTと「同じか似た機能を持つ製品やサービスを組み込む」権利があるとされています。AppleはOpenAIに対し、まず1社を組み込み、その後に提供元を増やしていく計画だと伝えていました。機能を発表したときにも、公の場で同じ趣旨の説明をしています。
実際、AppleはGoogleとも契約を結んでおり、Appleの最新のモデルはGeminiをもとにしています。
「独占ではないし、損害も生じていない」とOpenAIは反論
マスク氏側は、OpenAIとAppleが独占契約を結び、それがxAIの成長や顧客の獲得を妨げたと主張していました。
これに対しOpenAIは、契約の内容からして独占契約ではなかったと反論しています。さらに、仮に独占だったとしても、SiriへのChatGPTの統合で新しいChatGPTのユーザーはほとんど増えていないので、xAIが損害を受けたとは証明できない、という立場です。
書面には次のような記述があります。
「仮に裁判所が、Apple Intelligenceを通じてChatGPTを使うことを選んだAppleのユーザーがOpenAIの競合から締め出されている(実際にはそうではない)と仮定したとしても、契約によって生じる締め出しの量は、争う余地なくごくわずかである。原告側の専門家は締め出しの割合を計算しなかったが、OpenAIの専門家であるCatherine Tucker博士は、原告側の専門家と同じデータと市場の定義を使い、複数の指標にわたって、生成AIの利用者のうちApple Intelligenceを通じてChatGPTを利用した人の割合を算出した。その前提のもとで、Tucker博士が算出した締め出しの割合は、すべての指標で[黒塗り]であり、Apple Intelligenceの利用はごくわずかだったというOpenAI社内の見方と一致している。」
具体的な割合は黒塗りになっていて、公開されていません。
Appleはすでに被告から外れ、公判は2027年1月予定
マスク氏の企業は今月、Appleへの請求を取り下げています。この訴訟の被告として残っているのはOpenAIだけです。
OpenAIの今回の書面は、2027年1月に予定されている公判の前に、xAI側の請求を退けるよう裁判所に求めるものです。
まとめ
SiriへのChatGPTの統合は、OpenAI自身の書面によれば、利用を選ぶ手間もあって出だしから伸び悩み、その後も期待を下回り続けていました。OpenAIは2年間の独占を求めましたが、Appleはこれを断り、契約は独占ではない形で結ばれています。Appleはその後Googleとも組み、最新のモデルはGeminiをもとにしています。
OpenAIにとっては、利用が少なかったこと自体が「独占による損害はない」という反論の根拠になっている形です。具体的な利用の割合は黒塗りのままですが、Siriの中のChatGPTがあまり使われていなかったことを、提供した側が認めた資料といえます。
Source: MacRumors
あわせて読みたい関連記事
AppleがGeminiとの連携を公式に明記した、次世代Apple Intelligenceの提供開始はこちらです。
次世代Apple Intelligenceが提供開始|AppleがGeminiとの連携を公式に明記、Workout Buddyは日本語では動かない
AppleとOpenAIの間では、元幹部をめぐる別の訴訟も起きています。
OpenAIがAppleの訴訟に全面反論|「アップルは間違っている」とメールとメッセージを公開、仮差止申し立てに対抗【海外ニュース】
OpenAIが準備している初めてのAIデバイスについてはこちらです。
OpenAI初のAIデバイスは“ホッケーパック型”スピーカーになるのか? 300〜400ドル・可動部つきでJony Iveがデザインと報道【海外ニュース】
はじめての方・記事の探し方に迷った方へ
記事が多くて迷ったら、
記事の探し方ガイド
から目的別に読めます。











