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スマートリングのOura(オーラ)が、2026年9月3日に米国証券取引委員会(SEC)へ株式公開の届け出書類「S-1」を提出し、株式公開を正式に申請しました。その後の報道では、ナスダックで「OURA」のティッカーを使い、評価額は最大で約156億ドル(1ドル150円換算で約2兆3,400億円)になる見込みとされています。
指輪ひとつの会社に、なぜここまでの値が付くのか。韓国の経済紙アジア経済は、その答えを「データ」と「継続課金」に求めています。同紙の分析を、S-1に書かれた数字とあわせて整理します。
評価額は最大約156億ドル Fitbitの上場時のおよそ4倍
ブルームバーグは8月、Ouraが評価額160億ドル超での上場を目指していると報じていました。その後の報道によると、公開価格の仮条件は1株40〜44ドルで、5,000万株を売り出し、評価額は完全希薄化ベースで最大約156億ドルです。
アジア経済は、スマートウォッチブームの先駆けだったFitbitと比べています。同紙によると、Fitbitは2015年の上場時に時価総額41億ドルに達しました。Ouraの評価額はその約4倍にあたります。
売上の8割は指輪だが、伸びているのはサブスク
S-1によると、Ouraの会計年度は9月30日に終わります。2026年6月30日までの9か月間の売上高は12億1,451万ドルで、前年同期の6億9,757万ドルから74%増えました。内訳は次のとおりです。
| 区分 | 2026年6月までの9か月間 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| ハードウェア(指輪) | 9億7,398万ドル | 65%増 |
| メンバーシップ(月額課金) | 2億4,053万ドル | 121%増 |
売上の約8割はいまも指輪の販売です。ただ、伸び方を見ると、月額課金のメンバーシップは指輪の2倍近いペースで増えています。有料会員の数も、S-1によると1年で250万人から500万人へ倍増しました。
S-1には、有料会員が12か月後も継続している割合(加重平均)がおよそ85%と書かれています。指輪の販売は一度きりの売上ですが、会員が続けてくれれば毎月の売上が積み上がっていきます。
1日23時間着けられることが、データの厚みになる
OuraはS-1で、自社を指輪のメーカーではなく「常時稼働のヘルスインテリジェンス・プラットフォーム」と説明しています。
その土台になっているのが、着けている時間の長さです。S-1によると、2026年4〜6月期の有料会員の1日あたりの装着時間は、中央値でおよそ23時間。ほぼ一日中、指に着けたまま睡眠や心拍、体温のデータが記録され続けます。
アジア経済は、ここに評価額の理由を見ています。データが毎日たまっていくほど、利用者はほかのサービスに移りにくくなる。同紙によると、ウェアラブル端末の利用者でほかのブランドに乗り換えるのは4人に1人に満たないとする調査もあるといいます。
同紙によると、WHOOPにも出資している米ベンチャーキャピタルPromus VenturesのMike Collett氏は、PitchBookに対し「独自のデータという強みを築けているかどうかが、いまは企業の評価額に反映されている」と話しています。本当の意味でデータの堀を持ち、顧客をつなぎとめている会社には割増しの評価が付き、そうでない会社はありふれたハードウェアの会社と同じ値付けになる、という見方です。
ウェアラブルへの投資は2021年以来の水準に
アジア経済によると、10年ほど前に米国の成人でウェアラブル端末を持っていたのは8人に1人でしたが、いまはおよそ2人に1人です。SWLでも、米国の成人の46%がウェアラブルを持っているという調査を以前取り上げました。
お金の流れも変わっています。同紙が引用するPitchBookのデータでは、ウェアラブルと健康計測のスタートアップへの投資は今年41億ドルに達しました。WHOOPは5億7,500万ドルを調達しています。これほどの投資が集まるのは2021年以来だといいます。
ただし同紙によると、投資家は2021年とは中身が違うとみています。コロナ禍のブームは健康への不安から始まり、当時買われた端末の多くは引き出しにしまわれたままになったといいます。いまは、ウェアラブル端末の購入者の83%が週5日以上着けているという調査もあるとされています。
投資先は健康計測の外にも広がっています。同紙によると、米国のLegatoは補聴器の技術をメガネのフレームに組み込んだ製品で1,200万ドルを調達し、深圳のEven Realitiesは通知・翻訳・ナビゲーションに対応したスマートグラスで1億5,000万ドルを集め、7月に評価額10億ドル超の未上場企業になりました。
上場の結果がウェアラブル全体の値付けを左右する
Collett氏は、Ouraの上場がうまくいけばウェアラブル分野全体の評価額が見直され、次の世代の企業が上場を目指すきっかけになると話しています。
そのうえで、仮にOuraの上場が期待に届かなかったとしても、自分の体をもっと深く知りたいという人々の欲求は消えず、この業界を支える需要はそのまま残るとも述べています。
まとめ
Ouraは9月3日にS-1を提出し、評価額は最大約156億ドルと報じられています。売上の約8割は指輪の販売ですが、月額課金のメンバーシップは前年同期比121%増と、指輪の2倍近いペースで伸びています。
1日23時間着けられることで毎日データがたまり、それが利用者を引きとめる力になる。評価額の中身は、指輪そのものよりも、その上に積み上がる継続課金とデータにある、というのがアジア経済の見立てです。上場の結果は、ほかのスマートリングやウェアラブルの会社がどう評価されるかにも影響しそうです。
Source: The Asia Business Daily(アジア経済)/Oura Inc. Form S-1(SEC)/TechCrunch/Yahoo Finance(MarketBeat)
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