Apple Watchの心肺機能(VO₂ max)とは?測定方法・見方・改善のコツをやさしく解説

Apple Watchの使い方、基礎知識

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Apple Watch SE 3を着けた2人が屋外を並んで走っている様子

Apple Watchの「心肺機能(VO₂ max)」は、ヘルスケアアプリで見られる健康指標の中でも、意味が分かりにくいのに、けっこう重要な項目のひとつです。
実際、「どこにあるのか分からない」「数値が上下していて不安」と感じる人も少なくありません。

そこで本記事では、Apple公式サポートの情報をもとに、Apple WatchでVO₂ max(心肺機能)を推定する仕組み、ヘルスケアアプリでの確認手順、推移の読み解き方(実体験ベース)、そして改善の考え方を、初心者向けにやさしく整理します。

心肺機能(VO₂ max)とは?ざっくり言うと「酸素を使える体の強さ」

Apple Watchを着けた腕でダンベルを持ち上げているところ。画面にワークアウトが表示されている

心肺機能は運動中に体がどれだけ酸素を使えるかを示す指標(画像:Unsplash)

心肺機能は、運動中に体がどれだけ酸素を取り込み、循環させ、筋肉で利用できるかを示す能力のことです。
この能力を数値化したものがVO₂ max(最大酸素摂取量)で、一般的に数値が高いほど有酸素運動能力や持久力が高い傾向があります。

心臓・肺・血管・筋肉など全身が関わるため、VO₂ maxは体力の指標にとどまらず、全体的な健康状態を反映しやすい指標として扱われます。指標そのものの成り立ちはVO2Max(最大酸素摂取量)とは何かを有識者が解説で詳しく取り上げています。

Apple Watchで心肺機能が推定される条件

Apple Watchのステッパーワークアウト開始画面を表示した腕元

ワークアウトを始める画面。この種類のワークアウトが推定の対象になる

Apple WatchのVO₂ maxは、医療機器のように直接測定するのではなく、心拍数と身体の動き(モーションデータ)から推定されます。

ここが重要で、心肺機能の推定が行われるのは、基本的に以下のような屋外ワークアウトです。

・屋外ウォーキング
・屋外ランニング
・ハイキング

逆に言うと、屋内のトレーニング(ジム器具を使うものを含む)は心肺機能の推定に反映されません。
「室内で運動してるのに数値が出ない/増えない」と感じる人は、まずここでつまずきがちです。

Apple Watch Series 3以降では、VO₂ maxを14〜65 mL/kg/分の範囲で推定し、分類は20歳以上が対象です。

推定に使われるのは心拍とモーションのデータだけではありません。Appleは年齢・性別・体重・身長に加え、心拍数に影響する可能性がある薬も踏まえて推定していると説明しています。ヘルスケアのプロフィールが古いままだと数値がずれる余地がある、ということです。

また、初回の推定値がなかなか出ないケースもあります。Apple Watchを少なくとも24時間装着し、そのうえで屋外ワークアウトを数回行うまでは表示されないことがあるためです。「買ったばかりで数値が出ない」ときは、故障を疑う前にこの条件を満たしているか確かめてみてください。たいていはそれだけの話です。

なお、心拍数が制限される状態や、そうした作用のある薬を服用している場合は、VO₂ maxが過大に評価されることがあるとも明記されています。

心肺機能の数値は「ヘルスケアアプリのどこ?」を丁寧に解説

VO₂ maxは基本的にiPhone(またはiPad)のヘルスケアアプリで確認します。Apple Watch本体の画面には出てきません。
ここが分かりづらい最大の理由は、ヘルスケアアプリ内の項目数が多く、「心肺機能=心臓」カテゴリの中に隠れているからです。

iPhoneでの最短ルート(おすすめ)

もっとも迷いにくいのは「検索」から入る方法です。

1)iPhoneでヘルスケアアプリを開く
2)下部(または画面内)の「検索」をタップ
3)「心肺機能」と入力してタップ(見つからなければ「心臓」→「心肺機能」でもOK)
4)「日」「週」「月」「6か月」「年」を切り替えて推移を見る

「平均値の目安」も一緒に見たい場合

ヘルスケアアプリの心肺機能画面では、情報ボタンから年齢別・性別(女性/男性/すべて)の平均値の目安が見られます。
「自分の数値が高いのか低いのか分からない」問題は、まずここで解消できます。

年齢範囲ごとの最大酸素摂取量の目安を示したグラフ。男性で平均より上に当たるのは18から29歳が48から57、30から39歳が43から52、40から49歳が38から47、50から59歳が33から41、60歳以上が28から36

年齢と性別ごとの目安(男性を選んだ場合)。出典:Appleヘルスケアアプリ「心肺機能の解説記事」

たとえば男性の場合、「平均より上」に当たるのは次の範囲です(単位はmL/kg/分)。

年齢 「平均より上」の範囲(男性)
18〜29歳 48〜57
30〜39歳 43〜52
40〜49歳 38〜47
50〜59歳 33〜41
60歳以上 28〜36

Appleヘルスケアアプリ「心肺機能の解説記事」の表示より。アプリ上で「女性」「男性」「すべて」を切り替えられます

年齢が10歳上がるごとに、目安がおおむね5前後ずつ下がっていくのが分かります。同じ40という数字でも、30代なら「平均より下」、50代なら「平均より上」になるということです。数値の絶対値より、自分の年代のどこにいるかで読むのが正しい見方になります。

なお、この心肺機能レベルの区分には下敷きがあります。FRIEND(Fitness Registry and Importance of Exercise National Database)というデータベースに基づいていると、アプリ内に明記されています。

心肺機能レベル(高い/平均より上/平均より下/低い)の見方

ヘルスケアアプリでは、VO₂ maxの数値そのものに加えて、同年代・同性の平均と比べた「心肺機能レベル」が表示されます。

・高い
・平均より上
・平均より下
・低い

この表示は「トップアスリート基準」ではなく、あくまで年齢・性別の平均と比べた位置づけです。
そのため「平均より上」を維持できているなら、日常生活のレベルではかなり良好な状態です。ブランドごとの推定精度の差は睡眠・心拍・歩数・VO2 Maxを指標別に比較した最新研究まとめで整理しています。

筆者の心肺機能推移から分かること

筆者の場合、ヘルスケアアプリの「年」表示で心肺機能の推移を見ると、数値には多少の上下がありつつも、心肺機能レベルは一貫して「平均より上」を維持しています。

この推移から読み取れるポイントを、実体験ベースで整理してみます。

ヘルスケアアプリの心肺機能のグラフ2枚。左は6か月表示で2026年1月4日から7月4日、右は1年表示で2025年8月から2026年8月。どちらも平均レベルは平均より上

筆者のヘルスケアアプリより。左が6か月、右が1年。上下しながらも「平均より上」から外れていない

上下動があるのは正常。重要なのは「位置」

VO₂ max(最大酸素摂取量)は、運動量だけでなく、体重の変化、疲労の蓄積、睡眠の質、気温、運動ルート(坂が多いかどうか)など、さまざまな要因で日常的に変動します。

そのため、グラフが多少上下するのはごく自然なことです。実際、筆者のグラフでも一直線に伸びているわけではありません。
それでも「平均より上」というゾーンから大きく外れていない点が、ひとつの安心材料になります。

一時的に下がっても「戻れる」状態が重要

グラフを年単位で見ると、忙しい時期や運動量が落ちたタイミングでは、数値がやや下がる場面もあります。

ただし、その後にウォーキング量が増えたり、坂道を意識的に取り入れたりすると、数値が持ち直す傾向も確認できます。
この「下がっても戻れる」状態は、心肺機能の土台があることを示していると考えられます。

VO₂ maxは「体力テスト」ではなく生活の反映

使い続けて感じるのは、VO₂ maxには日々の生活や運動習慣がじわじわ反映されるということです。一発勝負の体力測定とは、数値の性格がかなり違います。

数値が高い日・低い日に一喜一憂するよりも、月〜年単位で見て、自分がどのゾーンに安定しているかを確認する方が、実用的だと感じています。

筆者の場合、「平均より上」を維持できていることで、運動量が極端に落ちていないか、生活リズムが大きく崩れていないかを確認する目安として、心肺機能を活用しています。

心肺機能が低下する可能性がある要因

年齢とともにVO₂ maxが下がりやすいのは自然なことですが、それ以外にも影響要因があります。

・妊娠
・心拍数を制限する薬や健康状態
・大きな怪我や長期的な病気

心肺機能レベルが低い状態が続くと、Apple Watchから通知が届く場合があります。

では、低いと何が心配なのか。アプリ内の解説には、心肺機能が低下している場合、2型糖尿病、大腸がん、心血管疾患や冠動脈疾患、認知症、アルツハイマー病といった長期的な病気の前兆を示している可能性があると書かれています。あくまで「可能性」の話で、数値が低いことがそのまま病気を意味するわけではありません。そのうえで、いまから最大酸素摂取量を増やして維持できれば、そうした問題を避けられる可能性が高まる、というのがAppleの説明です。

ここは不安をあおるために置く情報ではありません。数値が低いまま何年も放置しないための理由づけとして受け取るのが妥当だと思います。

心肺機能を改善するには?Apple Watchの説明を日常に落とす

心肺機能を高めるには、Appleの説明でも触れられている通り、心拍数を上げて呼吸がしっかり上がる有酸素運動が効果的です。

・ランニング
・サイクリング
・高強度インターバルトレーニング
・ウォーキングに坂道を数か所追加する

大切なのは、いきなり頑張りすぎないことです。
たとえばウォーキング派なら、いつものルートに坂を“数か所だけ”足すだけでも、心拍の上がり方が変わり、結果としてVO₂ maxの推定にも反映されやすくなります。

医師に相談すべきタイミング

VO₂ maxは診断ではありませんが、健康状態の変化を示すサインになることがあります。次のような場合は、医師に相談することが推奨されています。

・心肺機能が低く、運動ルーチンを大きく変えようとしている
・基礎疾患が原因で低下していると考えられる
・バイタルサインが大きく変化したと感じる

過去の数値がまとめて変わることがある(データをアップデート)

推定の精度が上がると、ヘルスケアアプリに「データをアップデート」という項目が出ることがあります。
これを実行すると過去の推定値がまとめて再計算され、アップデート後には結果と変化を知らせる通知が届きます。

グラフの形が急に変わって驚くことがありますが、体調が急変したわけではありません。計算のやり直しです。推移を見るときは、この仕組みがあることを頭の片隅に置いておくと落ち着いて読めます。

まとめ:VO₂ maxは「体力テスト」ではなく“生活の成績表”

Apple Watchの心肺機能(VO₂ max)は、スポーツのためだけの数値ではありません。
むしろ、日々の運動習慣や体調がじわじわ反映される、生活の成績表のような指標です。

そして「平均より上」を維持できているなら、まずは安心材料。
あとは、数値の上下に振り回されるより、月〜年で“自分の波”を掴むことが、いちばん実用的だと思います。

Source: 心肺機能レベルを追跡する – Apple サポート(日本)/Appleヘルスケアアプリ「心肺機能について」「心肺機能の解説記事」
画像:筆者のヘルスケアアプリのスクリーンショット(年代別の目安の図はApple提供の表示)

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