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2026年9月18日に発売されたApple Watch Series 12とApple Watch Ultra 4について、Appleは新しい心拍センサーを「ウェアラブルデバイス史上、最も高い精度を発揮する心拍数センサー」と説明しています。その根拠として公開されたのが、精度調査の報告書「Apple Watch Heart Rate Accuracy Study」です。
比べた相手は、Garmin・Google・Huawei・Samsung・WHOOP・Ouraの最新モデル6機種です。登録した1,460人のうち1,254人のデータを解析し、159通りの比較のうち139でApple Watchの誤差が小さいという結果でした。
発表の時点では「1,000人を超える参加者」とだけ書かれていて、何と、どう比べたのかは分かりませんでした(発表内容の読み比べ)。英語で9ページの報告書を、差が出なかった項目や海外からの異論も含めて日本語で追っていきます。
胸ストラップを基準に左右の腕で同時に比べた

調査では、参加者が片方の手首にApple Watch Series 12、もう片方の手首に比較する機種を着けました。基準にしたのは、心電図の方式で心拍を測る胸ストラップのPolar H10です。どちらの腕にApple Watchを着けるかはランダムに決め、利き腕に着けた人が約半分になるようにしています。
| 比較した機種 | 種類 |
|---|---|
| Garmin Forerunner 970 | スマートウォッチ |
| Google Pixel Watch 4 | スマートウォッチ |
| Huawei Watch 5 | スマートウォッチ |
| Samsung Galaxy Watch 8 | スマートウォッチ |
| WHOOP 5 | 画面のないバンド |
| Oura Ring 5 | スマートリング(人差し指に装着) |
報告書は、これらのブランドで世界のスマートウォッチの約90%を占めると説明しています。機種はいずれも、調査した2026年7月と8月の時点で各社の最新モデルです。
運動5種類と日常の4つの場面で測った

運動は、屋外のランニング、トレッドミルでのインターバル走、屋外のサイクリング、HIIT(高強度インターバルトレーニング)、筋力トレーニングの5種類で、それぞれ15〜20分です。ランニングの一定のリズム、筋トレや自転車でハンドルを握る腕の力み、HIITの激しい手首の動きなど、光学式の心拍センサーが苦手とする場面を選んだと書かれています。
日常の場面は、安静、デスクワーク、料理の準備、歩行の4つで、それぞれ約20分です。Oura Ringは、メーカーが筋トレ中は外すよう案内しているため、筋力トレーニングの比較からは外しています。
調査は5か所で行われました。Appleの本社があるカリフォルニア州クパチーノの近くに2か所、サンディエゴ、テキサス州オースティン、マレーシアのセランゴールです。クパチーノとオースティンはAppleが、サンディエゴとセランゴールは外部の受託研究機関が運営しました。
解析できたのは登録した1,460人のうち1,254人
参加者は18歳以上で、30分の運動に耐えられる人が対象です。テック系メディアで働く人、ベータ遮断薬を飲んでいる人、センサーを着ける位置にタトゥーや大きなほくろがある人は除いています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登録した人数 | 1,460人 |
| 解析に使えた人数 | 1,254人 |
| 外部機関が運営した拠点の参加者 | 59% |
| 肌の色が濃い人(フィッツパトリック分類V・VI) | 20% |
| 女性 | 35% |
| 平均年齢 | 39歳(±12歳) |
人数は、運動の種類ごと・比較機種ごとに最低50人になるよう、事前に決めてあります。平均絶対誤差の差が約2.5bpm(屋外のランニングとサイクリング)から約3.7bpm(HIIT)あれば見分けられるように計算した人数です。光学式の心拍センサーは肌の色によって精度が変わると指摘されてきました。報告書は、肌の色が濃い人が解析対象の2割を占めていることを明記しています。
159の比較のうち139でApple Watchの誤差が小さかった
誤差の大きさは、平均絶対誤差(MAE)と二乗平均平方根誤差(RMSE)の2つの物差しで比べています。RMSEは、ときどき大きく外れるデータがあると数字が悪くなる物差しです。
| 結果 | 比較の数 |
|---|---|
| Apple Watchの誤差が統計的に小さかった | 139 |
| 統計的な差がつかなかった | 18 |
| 比較した機種の誤差が小さかった | 2 |
差がつかなかったのは、サイクリングでのPixel Watch 4との比較などです。比較した機種のほうが上回った2つは、どちらも安静時のPixel Watch 4で、差は0.5bpm未満でした。統計的な差を問わず数字の大小だけで見ると、159のうち155でApple Watchの誤差が小さくなっています。
運動全体と日常全体でまとめた比較では、Apple Watchはすべての機種に対して統計的に上回りました。セッションごとの平均心拍で比べた場合は12の比較のうち11で上回り、運動全体でのHuawei Watch 5との比較だけは、数字では上回ったものの統計的な差はつきませんでした。
差が最も大きかったのはOura Ring 5で最も小さかったのはPixel Watch 4

出典:Apple「Apple Watch Heart Rate Accuracy Study」Figure 1より、RMSEの2つのグラフを抜粋
報告書の図からは、機種ごとにどれだけ差があったのかも読み取れます。上のグラフは、Apple Watchの誤差から比べた機種の誤差を引いた値で、点が左にあるほどApple Watchの誤差のほうが小さかったことを示します。上が運動中、下が日常の場面です。下の表は、その差をグラフの目盛りから読んだおおよその値です。
| 比較した機種 | 運動中の差 | 日常の差 |
|---|---|---|
| Oura Ring 5 | 約9.5bpm | 約6bpm |
| Samsung Galaxy Watch 8 | 約6bpm | 約4bpm |
| WHOOP 5 | 約4.5bpm | 約3bpm |
| Garmin Forerunner 970 | 約4.5bpm | 約1.5bpm |
| Huawei Watch 5 | 約2.5bpm | 約1bpm |
| Google Pixel Watch 4 | 約2bpm | 約1bpm |
運動の種類ごとに見ると、いちばん差が開いたのはHIITでのOura Ring 5で、約14bpmでした。反対にPixel Watch 4とは、サイクリングで差がつかず、日常の安静時にはわずかに上回られています。手首のスマートウォッチどうしでは差が数bpmにとどまり、指輪型や画面のないバンドほど差が大きく出た、という結果です。
Apple Watchは5秒ごとの値で比べている

Apple Watchのデータは、平均ではない5秒ごとの1つの値です。バックグラウンドの心拍はヘルスケアアプリに30秒ごとにしか書き込まれないため、調査では社内の記録アプリを使って、画面に出るのと同じ5秒ごとの値を集めています。
心拍を記録する間隔は、機種によって違います。報告書は、各社がアプリで利用者に見せている中で最も細かいデータを使ったと説明しています。
| 機種 | 運動中 | 日常 |
|---|---|---|
| Apple Watch Series 12 | 5秒 | 5秒 |
| Garmin Forerunner 970 | 0.25〜0.5秒 | 0.5秒 |
| Google Pixel Watch 4 | 2秒 | 2秒 |
| Huawei Watch 5・WHOOP 5 | 1秒 | 1秒 |
| Samsung Galaxy Watch 8 | 1秒 | 60秒(歩行中は1秒) |
| Oura Ring 5 | 5秒 | 約300秒 |
運動中は、Apple Watchの5秒が比べた中でいちばん粗い間隔です。日常の場面では、Oura Ringは約5分おき、Galaxy Watchは1分おきの値しか取り出せず、Galaxy Watchは時刻の記録がないため区間の平均と比べる扱いになっています。
比べ方には、海外の専門家から異論も出ています。ウェアラブルのレビューで知られるDC Rainmakerは、Apple Watchは自信の持てない測定値を記録せずに飛ばしていて、ワークアウト中は20秒ほど空くこともあると指摘しています。そのうえで、Appleは自分の難しい部分を除いたデータで、ほかの機種の全データと比べているのは公平ではないと書いています。
調査を計画し、結果をまとめたのはApple自身で、倫理審査もAppleの社内の委員会です。センサーが良くなったことは、Series 10と並べた手元の記録でもはっきり出ていますが、「最も精度が高い」という結論はAppleの調査の中での話として受け取るのがよさそうです。
Source:Apple「Apple Watch Heart Rate Accuracy Study」(2026年9月・PDF)、Appleニュースルーム、DC Rainmaker
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