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2026年8月7日に発売されたサムスンの縦折りスマートフォン「Samsung Galaxy Z Flip8」を、実機をお借りして使うことができました。
当サイトはスマートウォッチの専門メディアなので、スマートフォンそのものの評価は本職の方々にはかないません。ただ、毎日のようにガジェットを撮っている立場から見ると、このFlip8はカメラの使い方がかなり変わった1台でした。本体を途中まで折ると、そのまま机に置いて自立します。つまり三脚なしで、手を離して撮れるということです。そこを中心に見ていきます。
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価格:256GBモデル 192,680円(税込)/512GBモデル 222,680円(税込)
カラー:ピンク/グラファイト/クリーム/ミント(ミントはSamsung.com限定カラー。512GBはクリームなしの3色)
対応OS:Android 17(One UI 9)
防水・防塵:防水IPX8/防塵IP4X
おサイフケータイ:対応(背面のFeliCaマーク印字なし)
発売日:2026年8月7日
価格はSamsungオンラインショップの2026年7月22日時点のものです。その他の販売店では異なる場合があります。
どんな製品?

Galaxy Z Flip8は、上下に折りたためる縦折りタイプのスマートフォンです。同時に発表された横折りのGalaxy Z Fold8 Ultra、Galaxy Z Fold8と合わせて3機種構成になっていて、サムスンはこの3つを「Ultra級に極めた生産性」「没入感あふれる体験」「自己表現を楽しむ」と説明しています。Flip8が担当するのは3つめ、自己表現のほうです。
閉じると約86×75×13.1mmで手のひらに収まり、開くと約167×75×6.1mmの薄い板になります。重さは約180gで、前モデルのGalaxy Z Flip7から約8g軽くなり、Flipシリーズ史上もっとも薄く軽いモデルになりました。開いたときのメインディスプレイは約6.9インチ、閉じたときに外側から使えるフレックスウィンドウ(カバー画面)は約4.1インチです。
カメラは約5,000万画素の広角と約1,200万画素の超広角によるデュアル構成で、光学2倍相当のズームと最大10倍のデジタルズームに対応します。カバー画面側とメインディスプレイ側にはそれぞれ約1,000万画素のカメラがあります。
スマートウォッチを使っている人にとって重要なのは、これがGalaxy Watchの母艦になるという点です。Galaxy Watchシリーズは接続するスマートフォンによって使える機能が変わるため、Galaxyスマホと組み合わせたときがもっとも取りこぼしがありません。今回はGalaxy Watch Ultra2も同時にお借りしているので、その組み合わせも確認していきます。
そのGalaxy Watch Ultra2のレビューはこちらです。
Galaxy Watch Ultra2 実機レビュー|800mAh・最大80時間とダイビング対応、シリーズ最上位の実力を検証
見た目・素材・作りをチェック
外装には「Armor Aluminum」、カバー画面には「Corning Gorilla Glass」が使われています。ヒンジは「Armor FlexHinge」と呼ばれるもので、内側のベゼル間隔を広げたことで開きやすくなったとされています。

閉じた状態。約4.1インチのカバー画面が本体のほぼ全面を占める。
閉じると手のひらにすっぽり収まります。カバー画面が約4.1インチあるので、閉じたままでも時刻や通知はもちろん、この大きさなら情報を読むのに不足はありません。

閉じた状態を真横から。約13.1mm。
真横から見ると、側面はきれいに平らで、音量キーと電源キーがそのラインに沿って並びます。約13.1mmという数字は、閉じた高さが約86mmしかないことと合わせて考えると印象が変わります。厚みのあるかたまりというより、小さくて詰まったかたまり、という手触りです。

背面。上半分が黒いカバー画面、下半分がボディの2トーン。
この収まり方が何を意味するのか、分かりやすい試し方をしてみました。Tシャツの胸ポケットに入れてみます。

Tシャツの胸ポケットに収まる。
入りました。上が少しのぞくだけで、重さでポケットが引っ張られて垂れ下がることもありません。開けば6.9インチある画面が、閉じるとここに収まってしまう。画面の大きな板になってしまった普通のスマートフォンでは、まず成立しない収まり方です。
厚みがあることは事実です。ただ「かさばる」と「持ち歩きにくい」は別の話で、この機種は前者ではあっても後者ではありませんでした。
背面は、上半分の黒いカバー画面と下半分のボディで色が分かれる2トーンです。カメラは縦に2つ並び、出っ張りは控えめ。閉じたまま置いても、大きくがたつくことはありませんでした。

半開きにすると、上半分がページ、下半分がタッチパッドになる。
折りたたみで必ず話題になるのが画面中央の折り目です。斜めから光を反射させると、横一本のうねりとして分かります。ただしこれは光を当てて探した場合です。指でなぞってもほとんど段差を感じず、何度も往復させれば確かにあると分かる程度。正面から画面を見ているぶんには、まったく気になりませんでした。
そしてこの半開きの姿勢には、もうひとつ役割があります。ブラウザを開いた状態で本体を半分ほど折ると、上半分にページ、下半分にタッチパッドという配置に切り替わります。画面に直接指を伸ばさなくても、手前のタッチパッドでカーソルを動かしてページを送れるので、机に置いたまま、ノートパソコンのような姿勢で使えるということです。
180gという重さですが、持っていて重いと感じることはありませんでした。むしろ軽いほうだと思います。閉じたときの面積が小さいぶん、同じ重さでも手のなかでの存在感がまるで違います。
開くときは両手を使います。片手で開けるような硬さではありませんが、ヒンジが渋いわけでもなく、慣れればスムーズです。ただ慣れないうちは、開くときに裏側へ指を挟むことがあります。これが地味に痛いので、最初のうちは気をつけてください。
Galaxy Z Flip8がカメラで押している機能を整理する

実際に撮り始める前に、サムスンがこの機種のカメラで何を推しているのかを、プレスリリースから整理しておきます。どこを試せばいいかが決まるからです。
サムスンがFlip8のカメラを説明する見出しは「フレックスカメラが実現する、より表現力豊かなFlipセルフィー体験」。押しているのは次の7点です。
・フレックスカメラ:本体を途中まで折ると自立し、特別な機材を用意せずにハンズフリーで撮影できる
・カバー画面のリアルタイムプレビュー:撮られている側が自分の写りを確認しながら撮れる
・ProVisual Engine搭載の約5,000万画素カメラ:自然な肌の色味と鮮明なディテール。Flipシリーズ史上もっとも進化したセルフィー体験とうたう
・AIボケ効果:デジタル一眼レフの画像で学習したAIが自然な奥行きのボケを作る。ポートレートモードでのみ使用可能で、現在は約1,200万画素で動作
・スーパー手振れ補正の「水平ロック」:新搭載。カメラが360度回転しても水平を自動で検知し、フレームを水平に保つ
・フリップショット:カバー画面の背景を好きな写真やイラストにしたり、撮影しながらメッセージを書き込める
・オートズーム:フレックスモードで有効にすると、被写体を自動で切り替えて全員をフレームに収める
加えて、Galaxy Z シリーズ共通の新機能として、アウトカメラとインカメラを同時に記録するデュアル録画機能と、動画から選んだ被写体を自動で追跡して好みのアスペクト比に再調整するマイファンカムがあります。マイファンカムはSamsungアカウントへのログインが必要で、追跡対象がない動画ではサポートされません。
並べてみて分かるのは、Flip8のカメラの売りが画質競争ではなく撮り方の自由度に寄っているということです。同時発表のGalaxy Z Fold8 Ultraが約2億画素・最大30倍ズームという正面からのスペック勝負なのに対して、Flip8は約5,000万画素・最大10倍で、その代わり「三脚なしで自立する」「撮られる側がプレビューを見られる」という、他の形では実現しにくいところを取りにきています。ここを試さないとこの機種を評価したことにならない、という判断で以下を試しました。
使ってみて
折って自立する「フレックスカメラ」を物撮りで試す
まず試したのは、レビュー記事用の物撮りです。当サイトはスマートウォッチを毎日のように撮っているので、三脚を出さずに手を離して撮れるかどうかは、そのまま仕事の速さに直結します。

途中まで折って台に置いた状態。三脚は使っていない。
屋外でも、台の上に置くだけでこのとおり自立します。手を離せるということは、シャッターを切る瞬間に本体へ触れなくて済むということです。物撮りでいちばん効くのはここでした。

机の上でも、置くだけで手を離して撮れる。
実際の作業机でも同じでした。半分ほど折って置き、上半分にプレビュー、下半分にシャッターという配置になります。被写体の高さに合わせて折り角度を変えれば、そのままカメラの高さ調整になります。三脚を出して雲台の角度を決める手間が、本体を折るだけに置き換わる感覚です。
折る角度は基本的に90度で使っていました。この角度なら机の上でも屋外の台の上でも非常に安定します。ぐらつきを気にする場面はありませんでした。
手を離して撮れるので、シャッターを切る瞬間に本体へ触れません。手持ちで撮るときのブレが、そもそも発生しないということです。腕に着けたスマートウォッチを自分で撮るような場面では、これが決定的に効きました。
カバー画面のリアルタイムプレビューとミラーセルフィー
Flipならではなのが、閉じた状態の外側の画面に撮影プレビューが出せることです。撮られている側が自分の写りを見ながらポーズを決められるので、家族写真では効きそうです。

閉じたまま構えると、カバー画面に撮影プレビューが出る。
閉じたまま構えると、外側の画面にそのままプレビューが出ます。約4.1インチあるので、構図も表情も相手側から十分に確認できます。小さな覗き窓ではなく、普通の画面として見られる大きさです。
水平ロックは、歩きながら撮っても水平が保たれた
今回の新機能がスーパー手振れ補正の「水平ロック」です。動画モードでスーパー手振れ補正をオンにし、さらに水平ロックを有効にすると、本体を回しても映像の水平が保たれます。設定は本体を横向きにしてカメラアプリを開き、動画モードでスーパー手振れ補正のアイコンをタップという手順で、縦向きのままだとメニューに出てきません。ここで一度つまずきました。
撮影は一日オンにしたまま行いました。効きを確かめるため、歩きながら撮った22秒の動画から等間隔で6コマを抜き出し、水平の基準線を重ねてみたところ、縁石も路面標示も白線も、6コマすべてで基準線と平行を保っていました。歩行の上下動があるにもかかわらず、フレームは傾いていません。
ただし、正直に書いておきます。オフにした比較映像を撮っていないので、これが水平ロックのおかげだと数値で切り分けることはできません。構えが安定していただけ、という可能性を排除できないからです。
そのうえで言えるのは、オンにしたまま一日使って、歩き撮りの水平は崩れなかったということです。比較実験より実際の使い方に近い確認になりました。
試せなかった機能と、その位置づけ
今回は試せなかった機能もあります。せっかくなので、どういうものなのかだけ整理しておきます。
フリップショットは、鏡越しに自分を撮るときにカバー画面へ好きな画像を表示させ、それごと写し込む機能。デュアル録画はアウトとインのカメラを同時に記録する機能で、マイファンカムは撮影後に被写体を選ぶとAIが追跡してアスペクト比を切り直してくれる編集機能です。オートズームは、フレックスモードで人数に合わせてフレームを調整してくれます。
並べてみて分かるのは、この4つがどれも「自分の姿をコンテンツとして発信する人」に向けて設計されているということです。SNSに縦動画を上げることが習慣になっている人には、撮影と編集の手間をまとめて減らしてくれる機能でしょう。
いっぽう、家族での外出や日常の記録を残したいだけなら、出番は限られます。機能の出来ではなく、生活の中に出番があるかどうかの問題です。なおフリップショットを有効にしている間は、カバー画面の標準のカメラプレビューが使えなくなります。撮られる側が自分の写りを確認できるというFlip8の利点とは、同時には成立しません。
撮った写真の傾向
撮った写真を並べてみて、いちばんはっきり出たのはズーム倍率による差でした。Flip8のカメラは約5,000万画素の広角と約1,200万画素の超広角という構成で、望遠レンズは積んでいません。2倍までは広角センサーを切り出す「光学2倍相当」、そこから先の10倍まではデジタル処理で伸ばしています。

等倍で撮影。
等倍は文句のつけようがありません。米粒の一粒ずつ、卵焼きの断面の気泡まで解像しています。色は鮮やかめに出ますが、不自然にべたつく感じはありません。

2倍(光学2倍相当)で撮影。
2倍も、言われなければ等倍と区別がつきません。プリント柄の細い線がきちんと線として残っています。日常的に使うぶんには、この2倍までを常用域と考えてよさそうです。
問題はその先です。同じ被写体を6.4倍と10倍で撮り比べました。

同じ鉄道ジオラマ。左が6.4倍、右が10倍。
6.4倍はまだ持ちこたえています。高架の柱のエッジは立っていますし、web用の写真としてなら問題なく使えます。いっぽう10倍になると、地面の緑が絵の具を塗ったように溶けます。何が写っているかは分かりますが、質感は失われています。

10倍で撮影。橋や川の構造は分かるが、草木の質感は残らない。
とはいえ、これは望遠レンズを積んでいない機種の10倍です。離れた展示物を「記録として残す」ぶんには十分に働きます。スペック表の「最大10倍」を望遠レンズ搭載機と同じ感覚で期待しなければ、がっかりすることはないと思います。
Galaxy Z Flip8で撮ってみた作例
ここまでの写真も含めて、今回の作例はその多くを屋内で撮っています。鉄道博物館の展示室は雰囲気を優先した照明で、フラッシュも使えません。川越まつり会館にいたってはガラスケース越しです。スマートフォンのカメラにとっては、はっきり不利な条件でした。
その前提で見てください。いずれも三脚なし、手持ちのオート撮影です。

大展示ホール。天井の骨組みから足元まで、暗い屋内を1枚に収められた。
天井の骨組みから足元まで、暗い屋内を1枚に収められました。広い画角でも四隅が流れず、天井の細い部材が線として残っています。

別の日に川越まつり会館で撮影。ガラスケース越し、照明も暗い条件。金の装飾のディテールが残る。
ガラス1枚を挟んだうえに照明も暗い、いちばん条件の悪い場所です。それでも金の装飾の彫りと、提灯の文字が読める程度には残りました。

ガラス床の上。反射と逆光が同時に来る場面でも、白飛びせずに踏みとどまった。
足元のガラス床が光を反射し、奥から光が差し込む逆光。明暗が同時に来る場面でも白飛びせず、床の文字も子どもの服の柄も踏みとどまっています。
暗い場所での粘りは、スマートフォンのカメラとして十分に実用の範囲でした。屋外の自然光で撮っていれば、色の出方も解像感もさらに良い結果になったはずです。
AIボケ効果をポートレートモードで試す
背景をぼかすAIボケ効果も試しました。サムスンはこのボケを、デジタル一眼レフの画像で学習したAIによるものと説明しています。ただし使えるのはポートレートモードのときだけで、現在は約1,200万画素での動作という条件つきです。
屋内で、窓を背にした席に座っている場面で試しました。背景には別の来場者もいて、被写体と背景を切り分けるには厳しめの条件です。

プライバシー保護のため、目元のみ加工しています。ぼけ具合は撮影したままです。
まず感心したのが輪郭の抜き方です。かぶっている帽子はメッシュ地で、折り返したツバの縁を細いステッチが走っています。本来ならAIが最も苦手とする形状ですが、背後のブラインドとの境目に不自然な白い縁も、ツバが欠ける現象も出ていません。前髪の毛先も、手前に突き出したコーンを持つ指も、きちんと主役の側に残っています。
背景の分離そのものは強力で、後ろに座っている人がほとんど溶けています。スマートフォンのポートレートモードでここまで背景が処理できるのかというのが率直な感想です。
いっぽうで、ぼけの出方そのものは、やはり作られたものだと分かります。レンズで自然にぼかした写真は、被写体から遠ざかるほどぼけが強まっていきます。この写真では、手前の背もたれも、奥のブラインドも、似たような強さでぼけています。背景を消す力は文句なしですが、奥行きが段階的に溶けていく感じは出ません。そこを求めるならカメラの出番だと思います。
うまくいかなかった1枚
最後に、限界がはっきり出た写真も載せておきます。暗い展示室で10倍まで寄った1枚です。

暗い展示室で10倍ズーム。暗さとデジタルズームが重なると細部は残らない。
暗さとデジタルズームが重なると、ノイズを消す処理が細部まで一緒に均してしまい、金属の質感が残りません。暗い場所では、無理に寄らず等倍で撮って後から切り出したほうが、結果的にきれいに残ります。ここがこのカメラのはっきりした境目でした。
カメラ以外で気づいたこと
アプリの起動と画面遷移が明確に速い

カメラの話から少し離れますが、触ってすぐに気づいたことも書いておきます。
私が普段使っているのはiPhone 15 Pro Maxですが、それと比べて同じアプリでも体感がはっきり違います。タップしてから開くまで、入力してから次の画面に切り替わるまでが明確に速い。
チップは2世代の開きがありますが、効いているのは処理性能よりメモリで、12GB対8GB。アプリが裏に残るぶん、ゼロから起動し直す回数が減ります。画面のなめらかさはどちらも1〜120Hzで同じなので、差の理由はそこではありません。ただし3年前の端末に最新OSを載せた状態と比べている前提は差し引いてください。
Galaxy Watch Ultra2との連携
サムスンは新しいGalaxy Zシリーズについて、Galaxy Watch Ultra2やGalaxy Watch9と連携することで、ウェルネスに関するインサイトから生活習慣、デバイスをまたいだ操作まで、その時々に応じたパーソナライズされたサポートを提供するとしています。当サイトとしてはここがいちばん気になる部分です。
実際に組み合わせて使ってみて、いちばん便利だったのがウォッチをリモートシャッターとして使う撮影です。Galaxy Watch Ultra2の画面にFlip8のカメラのプレビューが映り、離れた場所から構図を確認したままシャッターを切れます。

ウォッチ側の画面。プレビューの下に録画ボタンとカメラ切り替えが並ぶ。
ウォッチの画面上でズームインとズームアウトの操作もできました。
これがフレックスカメラと噛み合います。Flip8を折って机に置き、自分は離れた場所で被写体になり、手元のウォッチで画角を見ながら撮る。三脚も、シャッターを押してくれる人も要りません。普通のスマートフォンと違って縦置きでも横置きでも三脚なしで机やテーブルの上に置いて撮影できるのは、素直に便利だと感じました。
この構成でどこまで正確に撮れるのかを確かめてみました。18秒の間隔をあけて2枚撮り、その間に椅子の上で座り直して姿勢を大きく変えています。撮れた2枚の背景を突き合わせたところ、横4,000ピクセルの画像に対して、カメラのずれは最大でも4ピクセルでした。手持ちでは成立しない精度です。同じ構図のまま状態だけを変えた比較写真が、一人で撮れることになります。
ひとつ分かった制約があります。ウォッチでプレビューを見ている間は、Flip8のカバー画面が消えます。先ほどのフリップショットと同じで、ここでもカバー画面は排他になります。撮影者が自分自身ならウォッチ、被写体が他の人ならカバー画面、という使い分けになります。
もうひとつ、画角は固定できても露出は固定されません。先ほどの2枚は、背景の白い壁の明るさが1割ほど変化していました。人が動いたことに自動露出が反応したためです。同じ構図で撮り比べたいときは、撮影前に画面を長押しして露出を固定しておくほうが確実です。

ウォッチが計測したデータは、スマートフォンのSamsung Healthに集まる。
ウォッチが集めた数値は、スマートフォン側のSamsung Healthにまとまります。睡眠スコアやその内訳のように、ウォッチの小さい画面では1つずつ辿るしかない情報を、一画面で見渡せるのは素直に便利でした。
おサイフケータイと日常の使い勝手
なおスマートフォン側での改札やコンビニの決済は、今回は試せていません。確認できたのは、Galaxy Watch Ultra2側で交通系ICを問題なく使えたところまでです。
良かった点・気になった点
良かった点
・折るとコンパクトになる。小さめのポケットにも入る
・裏側にも画面がある。開かずに時刻や通知を確認できる
・折った状態で撮影できる。三脚なしでハンズフリー撮影ができる
・家族写真、自分も写り込みたいとき、腕のスマートウォッチを撮るときに効く
・撮られている側がカバー画面のプレビューで自分の写りを確認できる
・閉じれば手のひらに収まり、開けば約6.9インチの大画面になる
・アプリの起動と画面遷移が明確に速い
・おサイフケータイとワイヤレス充電に対応していて、日本で使ううえでの穴が少ない
いちばんの収穫は三脚なしで撮り方の幅が広がったことです。これまで「誰かに頼む」か「諦める」かだった場面が、置くだけで解決しました。
気になった点
・裏側にも画面があるぶん、ケースで保護できる範囲が限られる
・256GBモデルでも192,680円と、価格は決して軽くない
・慣れないうちは、開くときに裏側へ指を挟むことがある
・AIボケ効果はポートレートモードでのみ、しかも約1,200万画素での動作という制約がある
・カメラの画素数と光学ズームの倍率は、同時発表のGalaxy Z Fold8 Ultraに引き離されている
ケースの件は、折りたたみという構造そのものから来るものなので、どう対策するかは買う前に考えておいたほうがいい部分だと思います。
こんな人におすすめ
・三脚を出さずに手を離して撮りたい人
・人を撮る機会が多く、撮られる側にも写りを確認してほしい人
・自分も写り込む家族写真を撮る機会が多い人
・小さいポケットにも入る大きさで、開けば大画面という両立を求める人
・Galaxy Watchと組み合わせて使いたい人
逆に、カメラの画素数やズーム倍率そのものを最優先する人は、同時発表のGalaxy Z Fold8 Ultraや、他社のカメラ特化フラッグシップのほうが合うかもしれません。
主な仕様
| 製品名 | Samsung Galaxy Z Flip8(SIMフリーモデル) |
| 発売日 | 2026年8月7日 |
| カラー | ピンク/グラファイト/クリーム/ミント(ミントはSamsung.com限定) |
| サイズ(開いた状態) | 約167×75×6.1mm |
| サイズ(閉じた状態) | 約86×75×13.1mm |
| 重量 | 約180g |
| メインディスプレイ | 約6.9インチ |
| カバー画面(フレックスウィンドウ) | 約4.1インチ |
| リアカメラ | 広角 約5,000万画素(F1.8、光学2倍相当ズーム)/超広角 約1,200万画素(F2.2) |
| インカメラ | 約1,000万画素(F2.2) |
| デジタルズーム | 最大10倍 |
| 動画撮影 | 最大3,840×2,160(UHD) |
| プロセッサ | Snapdragon 8 Elite Gen 5 for Galaxy |
| メモリ/ストレージ | 12GB+256GB/12GB+512GB |
| バッテリー | 4,300mAh(最大約31時間の動画再生) |
| OS | Android 17(One UI 9) |
| Wi-Fi | 2.4GHz/5GHz/6GHz(IEEE802.11be対応) |
| Bluetooth | Ver.5.4 |
| 生体認証 | 指紋認証/顔認証 |
| 防水・防塵 | 防水IPX8/防塵IP4X |
| おサイフケータイ | 対応(背面FeliCaマーク印字なし) |
| ワイヤレス充電 | 対応(Qi) |
| 同梱物 | SIM取り出し用ピン(試供品)/USBケーブル(CtoC)/クイックスタートガイド |
| 販売価格(税込) | 256GB:192,680円/512GB:222,680円 |
まとめ
当サイトはスマートウォッチの専門メディアなので、スマートフォンとしての総合評価はしません。毎日ガジェットを撮っている立場から、カメラだけを見てきました。
結論から言うと、Flip8のカメラの価値は画質競争ではなく、撮り方の自由度にありました。画素数もズーム倍率も、同時発表のFold8 Ultraには及びません。ズームも6倍あたりまでが実用で、10倍は記録として残す範囲です。けれど90度に折って置くだけで、三脚なしのハンズフリー撮影ができるというのは、他の形のスマートフォンにはない体験でした。
腕に着けたスマートウォッチを自分で撮る。家族写真に自分も入る。これまで諦めるか誰かに頼むかしかなかった場面が、置くだけで片づきます。撮れる写真の質ではなく、撮れる状況が増える。ここが評価すべきところだと思います。
そしてGalaxy Watch Ultra2と組み合わせると、ウォッチをリモートシャッターにして、離れた場所から構図を見たままシャッターを切れます。自立するカメラと手元のリモコン。この2つがそろって初めて完成する使い方でした。
192,680円という価格は軽くありません。裏側にも画面があるぶんケースで守れる範囲が限られるという、構造由来の弱点もあります。
それでも正直に書いておくと、私はこれまで折りたたみスマートフォンを持ったことがありませんが、今回使ってみて欲しいと感じました。小さく畳めること、裏に画面があること、折ったまま撮れること。この3つは、板状のスマートフォンでは代わりが利きません。
本記事はサムスン電子ジャパン株式会社から貸与を受けた製品をもとに執筆しています。製品はレビュー後に返却しており、掲載内容について同社の事前確認は受けていません。
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Source:サムスン電子ジャパン プレスリリース/Samsung 公式製品ページ
画像出典:サムスン電子ジャパン(共同通信PRワイヤー配信のプレスリリース素材)
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