Apple Watch Series 12の心拍は胸ストラップとほぼ同じ動きをした|室内サイクリングで相関1.0 ただしSeries 11との差は小さい【海外ニュース】

NEWS

公開日:

Apple Watch Series 12の裏面センサー部のアップ。フォトダイオードがリング状に並び、外側に放射状の線が入っている

Apple Watch Series 12の心拍計測が、胸に巻くタイプの心拍計とほぼ同じ動きをした。そんな検証結果を、海外メディアのThe Mac Observerが9月19日に伝えました。検証したのは、YouTubeチャンネル「The Quantified Scientist」を運営するRob ter Horst氏です。

ただし、これは1人が1日だけ試した初期の結果です。数字の中身と、どこまで言えるのかを見ていきます。

胸ストラップとの相関は室内サイクリングで1.0

Apple Watch Series 12の心拍数アプリ。67拍/分の表示の下に「2分間の履歴」として点が細かく並んでいる

Series 12の心拍数アプリ(撮影:Smart Watch Life 編集部)

ter Horst氏は自分を生体データの解析が専門のポスドク研究者だと紹介しています。今回はSeries 12を右手首に着け、心電図方式のPolar H10を胸に巻いて基準にしました。運動の種類ごとに、両者の数値がどれだけ同じ動きをしたかを相関で表しています。

運動の種類 胸ストラップとの相関 これまでの測定機器との比較
室内サイクリング 1.0(四捨五入) 92%の機器を上回った
ランニング 0.98 順位は目立って低い
ウエイトリフティング 0.97 85%の機器を上回った

相関が1.0に近いほど、2つの機器が同じように上下したことを意味します。値そのものがぴったり一致したという意味ではない点には注意が必要です。

室内サイクリングは、インターバルの山と谷をすべて正しく追えていたといいます。ランニングは走り始めの心拍数が高い場面でわずかなずれがあったものの、同氏は良好だと評価しました。

ウエイトリフティングで数値が落ちなかった

手首で測る心拍計は、バーベルを握って手首に力が入る場面で数値が低く出やすい弱点があります。今回はその兆候が見られず、ベンチプレスやディップスのピークもおおむね捉えていたと報告されています。

これまでのApple Watchは、心拍数が跳ね上がる瞬間に記録が飛ぶ傾向があったと同氏は振り返っています。筋トレ中の数値を気にする人にとっては、意味のある変化といえます。

Series 11とはっきり差がついたわけではない

ヘルスケアアプリの心拍数グラフ。Series 10が記録した14時台は点が十数個並ぶだけだが、Series 12が記録した15時45分から16時45分は縦の帯がびっしり並んでいる

同じ日の心拍数グラフ。左がSeries 10、右がSeries 12(撮影:Smart Watch Life 編集部)

ここが今回のいちばん大事なところです。同氏が長期間使ってきたSeries 11のデータと比べると、相関は「とてもよく似ている」水準で、ランニングに限ればSeries 11のほうがやや良い結果でした。

同氏はその理由として、Appleが古いセンサー向けのアルゴリズムを何年もかけて調整してきたのに対し、新しいセンサーはまだ調整の途中ではないかと推測しています。そのうえで、Appleが狙っているのは運動時の精度よりも、終日測り続けられる省電力性ではないかと見ています。

Appleの発表内容もこの見方と重なります。大型化した省電力の緑色LEDによって、5秒ごとに1日中心拍数を測るとしています。上の写真は編集部が発売日にSeries 10と並べて確かめたときのもので、記録の細かさの差がそのまま表れています。

なお、Appleは自社の1,000人を超える研究をもとに、Series 12が「ウェアラブルで最も正確な心拍計測」を実現したと説明しています。これはメーカー自身の主張で、第三者が同じ規模で確かめたものではありません。

歩数は手で数えた結果ともほぼ一致した

Apple Watch Series 12の46mmスペースグレイアルミニウムを腕に着けた状態

Apple Watch Series 12(撮影:Smart Watch Life 編集部)

歩数についても、Appleは他のスマートウォッチより正確だと説明しています。ter Horst氏は約5,000歩を1,000歩ずつに区切って手で数え、時計の表示と突き合わせました。差は1,000歩あたり中央値で約5歩、いちばん大きかった区間でも14歩多い程度だったといいます。

ただし、自転車に乗っているときやデスクワーク中に歩数が増えてしまう現象は、まだ確かめていないとのことです。Series 12とUltra 4の歩数計は機械学習で作り直されているので、この点は長期の検証を待つことになります。

今回いちばん弱かったのはGPS

同じコースを繰り返し走った軌跡を見ると、角が丸まり、実際には通っていない茂みを突っ切る線が出ていました。同氏の評価は「良くはないが、ひどくもない」です。ずれが目立ったのは走り始めと、大きな壁のそばでした。

コースの記録を重視する人は、この点を見ておいたほうがよさそうです。心拍数のほうは、胸ストラップを併用するとどう変わるかを同じコースで心拍ベルトあり・なしを比べた実機レビューでも扱っています。

この結果をどう受け取るか

今回の検証は1人が1日試した結果で、同氏自身も「ごく初期の、ただし体系的なテスト」と述べ、長期レビューを予定しています。運動の種類や手首の太さ、装着の仕方で結果は変わるため、これだけでSeries 12全体の精度を決めつけることはできません。

そのうえで読み取れるのは次の2点です。トレーニングで使う目的でSeries 12を買った人にとって、心拍数のデータは自転車でも走りでも筋トレでも十分に使えそうだということ。そして、Series 11を使っている人が心拍精度のためだけに買い替える根拠は、このテストからは出ていないということです。

数字がどこまで信頼できるのかという話は、15指標の信頼度を整理した研究レポートでも扱っています。メーカーの公表値と第三者の検証を並べて見ておくと、手元の数字との付き合い方が決めやすくなります。

まとめ

Series 12の心拍計測は、胸ストラップとの相関が室内サイクリングで1.0、ランニングで0.98、ウエイトリフティングで0.97という結果でした。手首に力が入る筋トレで数値が落ちなかった点は、これまでのApple Watchからの変化といえます。

一方で、Series 11と比べてはっきり良くなったとはいえず、ランニングでは旧モデルのほうがやや良い結果でした。GPSは今回いちばん弱い部分です。1人1日の初期テストである点を踏まえ、長期の検証を待ちたいところです。

Source: The Mac Observer/検証は The Quantified Scientist(Rob ter Horst氏)が9月18日に公開した動画
画像: Smart Watch Life 編集部撮影

あわせて読みたい関連記事

編集部が発売日に実機で確かめた心拍の記録はこちらです。

【速報レビュー】Apple Watch Series 12|心拍の記録が点から帯に変わった 発売日にSeries 10と並べて確かめた

スマートウォッチの数字がどこまで信頼できるのかを研究論文から整理しました。

その数字は測定値か、推定値か|ミシガン大などのレビュー論文がスマートウォッチ15指標の信頼度を整理、消費カロリーは誤差±10〜20%超【研究レポート】

心拍や血中酸素の精度は肌の色や装着位置でも変わります。

スマートウォッチの血中酸素・心拍はどこまで正確? 肌の色・装着位置で変わる精度【研究レポート】

Series 12とUltra 4でしか使えない機能は公式データで確認できます。

Series 12とUltra 4でしか使えない機能と、旧モデルでも使える機能をApple公式のデータから解説 watchOS 27に更新しても準備度は使えない

準備度スコアの中身と読み方はこちらにまとめています。

Apple Watchの「準備度(レディネス)」とは何か|0〜10のスコアの中身と、各社バラバラな呼び名・尺度、そして信じすぎてはいけない理由

今年の3モデルの違いを比較した記事もあわせてどうぞ。

Apple Watch Series 12・Ultra 4・SE 3(昨年モデル)を徹底比較【2026年版】

Apple Watchの最新情報は、タグページからまとめてチェックできます。

Apple Watchの記事一覧

 はじめての方・記事の探し方に迷った方へ
記事が多くて迷ったら、 記事の探し方ガイド から目的別に読めます。

※本記事のリンクから商品を購入すると、売上の一部が販売プラットフォームより当サイトに還元されることがあります。掲載されている情報は執筆時点の情報になります。
     

関連記事